「聖書商人ロベール・マケール(Robert-Macaire Md de bibles)」と題されたこの石版画は、新聞王ジラルダンを風刺した作品。ジラルダンはラ・プレスほか有力な新聞を発行し、それに広告の機能を持たせることで、巨万の富を得た。そのやり方は、誇大広告で人々の購買意欲をあおるというもので、それに対してシャリヴァリによるフィリポンとドーミエは強く反発した。
「過去・現在・未来(Le passé. Le présent. L'avenir)」と題されたこの石版画は、ルイ・フィリップの顔を皮肉っぽく描いたものだ。ルイ・フィリップの顔は、下膨れなところが洋梨を想起させたので、人々はかれを「洋梨」とあだ名した。この絵を見ると、たしかにルイ・フィリップは洋梨が人間の真似をしているように見える。
1930年の七月革命は、大衆の蜂起によって成功したのだったが、革命がもたらしたのはルイ・フィリップによる王政でり、かれを担いだブルジョワジーの勝利であった。その一方、革命を成功させた大衆は、見向きもされなかった。「七月の英雄(Un Héros de Juillet)」と題したこの版画は、そうした無視された大衆を象徴する人物像である。
ドガは、1870年代末から80年代にかけて、踊り子群像のほか、風俗画風の作品を多く手掛けるようになる。町で憂さ晴らしをする女たち、仕事ちゅうの女たち、そして湯浴みなどの日常生活の一コマを、スナップショット風に切り取った構図で描いた。「帽子店(Chez la modiste)」と題されたこの作品は、女性用の帽子店で品定めをする女たちを描いている。
「ダンスのレッスン(La Leçon de danse)」と題されたこの絵は、ダンスのレッスンの合間に一休みする少女たちを描いている。右手前の二人の少女は、脚の筋肉をほぐしたり、緊張をゆるめるために放心したりしている。画面中央で立っている少女は、和風の扇子を扇いで汗を沈めているのだろう。一方、画面の背景部分では、まさにレッスンに励んでいる少女たちが描かれている。
最近のコメント