日本の美術

price10.1.jpg

「芭蕉雄鶏図」は、芭蕉を背景にして雄鶏を描いたもの。筋目描きといって、面と面の間を白抜きすることで、線の部分を筋目のように浮かび上がらせる手法を用いている。岩絵の具ならば胡粉で白い筋をつけるのが可能だが、水墨画ではそういかないので、白抜きの技法が有効なわけである。

price09.1.jpg

図屏風は多くの場合、六つの面(扇という)で一組のものを、二組作って一対とする。それを六曲一双と称した。しかして向かって右側を右隻、左側を左隻といった。この絵は、「鳥獣花木図屏風」の左隻である。

price08.1.jpg

プライス・コレクションにとどまらず若冲の画業全体の中でももっとも光るのがこの「鳥獣花木図屏風」一対だ。この図屏風を若冲は、桝目描きという特殊な技法で描いた。桝目描きというのは、画面を一センチ四方の枡に区分けし、その一つ一つを絵の具で塗っていくというものである。織物の図案である正絵の技法を取り入れたとも、朝鮮半島の紙織絵の影響だとも言われている。詳しいことはわかっていないようだ。

群鶴図:若冲プライス・コレクション

| コメント(0)
price07.1.jpg

「群鶴図」は、七羽の鶴が重なりあって立っている様子を描いたものである。かなりもつれあっているので、頭と胴体や脚との関連がよくわからないところがある。頭を数えるとかしかに七羽分あるのだが、見えている脚は九本しかない。五本あるはずの残りの脚は、持ち上げられて隠れているのだろうか。

price06.1.jpg

「竹梅双鶴図」は、二本の竹と花をつけた梅を背景に二羽の鶴を描いたものである。鶴は頭頂が赤いところから丹頂鶴とわかる。丹頂鶴は雌雄同系同色なので、どちらがオスでどちらがメスか、この絵からはわからない。おそらく首を下に向けているほうがオスで、その背後から首を伸ばしているのがメスではあるまいか。

price05.1.jpg

「雪芦鴛鴦図」は、動植綵絵の「雪中鴛鴦図」とよく似ている。背景に雪のまとわりついた植物(片方は柳の枝、こちらは芦)を配し、メーンテーマには一対の鴛鴦を描いている。しかも鴛鴦は、相互の位置関係を除いては、両図とも殆ど同じ形をしている。

price04.1.jpg

「紫陽花双鶏図」は、動植綵絵の「紫陽花双鶏図」と構図がよく似ており、雄鶏は羽の色が異なるほかは全く同じ形をしている。雌鳥のほうは、違う形で描いており、この絵のなかのものは、雄鶏のほうへ向かって後ろ向きに顔を曲げている。また、雄鶏の鶏冠は、動植綵絵においては赤く塗りつぶされておるのに対して、こちらのは、小さな点で埋め尽くされている。

price03.1.jpg

「旭日雄鶏図」は、真紅の旭日に向かって、松の枝の上に止まった雄鶏が見上げているところを描く。構図としては単純だが、雄鶏の描き方は、毛の一本にいたるまで、実に丁寧だ。こうした鶏の描き方は、動植綵絵における初期の鶏の描き方に通じるところがある。

葡萄図:若冲プライス・コレクション

| コメント(0)
price02.1.jpg

若冲は、葡萄をテーマにした絵を、障壁画を含めて何点か描いている。葡萄は繁殖力が旺盛なことから、縁起がよいとされ、襖絵や掛軸には相応しいとされたようである。この絵も、そんな葡萄のおめでたいイメージを表したものだろう。

虎図:若冲プライス・コレクション

| コメント(0)
price01.1.jpg

「虎図」は、署名と並んで「宝暦五年乙亥首夏」との記載があることから、家業を弟に譲って画業に専念し始めた年の作である。また「我画物象非真不図、国無猛虎倣毛益摸」とあることから、南宋の画家毛益の作を模倣したと若冲本人は主張しているのがわかるが、実際に若冲が模倣した原画は、正伝寺所蔵の李公麟筆「猛虎図」であるとされる。

紅葉小禽図:若冲動植綵絵

| コメント(0)
jak130.1.jpg

紅く色づいたかえでのもみじを背景に、一対の小禽を描く。植物のほうが前景に出ていることは、菊花流水図と同じだ。面白いのは、モミジの葉の一枚一枚が、濃淡の差をともないながらも、ほぼ同じ形に描かれていることだ。かえでの三本の枝も、大きさの違いはありながらも、全く同じ方向をむいている。そんなわけで、この絵には反復があふれていると言ってもよい。

菊花流水図:若冲動植綵絵

| コメント(0)
jak129.1.jpg

「菊花流水図」は、流水を背景にして咲き誇る菊の花を描いている。白やピンク、紅の菊の花が、空中を漂っているような感じで描かれ、菊の花弁の合間や岩の上に数羽の小鳥が遊んでいる。このように、植物を大きく描き、禽獣を添え物のように描くのは、動植綵絵シリーズの最終局面に近い頃の作風と言えよう。

芦鵞図:若冲動植綵絵

| コメント(0)
jak128.1.jpg

「芦鵞図」は、水辺の芦を背景にして一羽の白い鵞鳥を描いたものである。この作品の著しい特徴は、背景をほとんど墨で描いていることだ。水墨と絵の具で描くと言うのは、中国絵画の伝統を取り入れたのであろう。

群魚図(鯛):若冲動植綵絵

| コメント(0)
jak127.1.jpg

「群魚図(鯛)」は前出の「群魚図(蛸)」と一対をなすものである。明治五年の京都博覧会に陳列されたときのチラシには、一対のものとして「魚尽くし」と命名されていた。二点のうちのこちらは鯛をもっとも大きく描いているところから、便宜上「群魚図(鯛)」とした。若冲が命名したわけではない。

群魚図(蛸):若冲動植綵絵

| コメント(0)
jak126.1.jpg

「群魚図(蛸)」は、海の中を泳ぐさまざまな生き物を描いている。蛸を中心に、その種類は十六通り。すべての生き物が左斜め下のほうへ向かって泳いでいる。このようにすべての対象を同じテーマで統一するところは、若冲の大きな特徴の一つだ。

老松白鳳図:若冲動植綵絵

| コメント(0)
jak125.1.jpg

「老松白鳳図」は、松の木の枝に片足で止まり、大きく羽を広げた鳳凰を描いている。画面右上には旭日の一部がある点で、老松白鶏図と同じ構図だが、鶏のうちの一羽が旭日を見上げているのに対して、この鳳凰は旭日を見ていない。鳳凰の描き方は、尾羽の部分を除き、旭日鳳凰図のそれとほとんど同じである。ただ、こちらは全身が白いことが違っている。

貝甲図:若冲動植綵絵

| コメント(0)
jak124.1.jpg

「貝甲図」は海辺近くの砂浜にいる貝の類を描いたもの。青く塗った曲線模様の部分が海水の流れをあらわしている。その波に洗われるかのように、さまざまな種類の貝や珊瑚の塊が描かれている。

池辺群虫図:若冲動植綵絵

| コメント(0)
jak123.1.jpg

「池辺群虫図」は、水辺に実を成らした瓢箪とそれに群がる昆虫や小動物を描いたものである。描かれた生き物は六十種類もある。それらのひとつひとつを、丁寧に描き分けているのは、若冲らしいところだ。瓢箪の実も、虫に食われた後があったりして、なかなか手が込んだ描き方になっている。

牡丹小禽図:若冲動植綵絵

| コメント(0)
jak122.1.jpg

「牡丹小禽図」は、「薔薇小禽図」と一対をなすものだろう。画面にびっしり隙間なく牡丹の花と葉が描かれ、そのほぼ中央に一対の小禽が描かれている。右側の小禽は、赤いの蕾の上に止まって、首を背後に曲げて上のほうを眺めている。左手の小禽は、牡丹の木らしいものに止まって、配偶者のほうを見つめているのであろう。

薔薇小禽図:若冲動植綵絵

| コメント(0)
jak121.1.jpg

「薔薇小禽図」は、咲き広がった薔薇の花を背景に一羽の小禽を描いたものである。薔薇は三種類あり、それぞれ紅、うす紅、白の花弁を開いている。どの花も、上からの視線で描かれ、その形状はほとんど同じである。普通ならこうした描き方は稚拙さを感じさせるものだが、若冲の手にかかると、独特のリズム感を伴うようになる。

Previous 6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16



最近のコメント

アーカイブ