続 壺 齋 閑 話
壺齋閑話の続編です 初編壺齋閑話は
こちら
から閲覧できます
ホーム
|
アーカイブ
|
プロフィール
|
メール
|
facebook
|
twitter
日本の美術
竹林に猿蟹図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2020年2月 1日 17:43
)
|
コメント(0)
「竹林に猿蟹図」は、雪村の最晩年、三春時代の作だろう。真竹の林の中で、蟹をつかまえよとする猿たちを描いている。蟹は藻屑蟹と思われる、それを一匹の猿が左手をのばしてつかもうとし、その背後では三匹の猿たちが様子を見守っている。猿たちの様子や表情からみて、前方にいて蟹をつまもうとしているのがボス猿なのだろう。
続きを読む
竹林七賢図屏風:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2020年1月28日 17:19
)
|
コメント(0)
雪村は最晩年の七十歳代に、福島県の三春に隠棲した。ここで七十一歳の時に、「竹林七賢図屏風」を制作している。竹林七賢とは、中国の三国時代に実在したとされる人物像で、竹林に集い酒を飲みつつ清談したことから、竹林の賢人と呼ばれるようになった。その賢人たちに、老年の雪村が自分のイメージを重ねたということか。
続きを読む
花鳥図屏風:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2020年1月25日 17:29
)
|
コメント(0)
「花鳥図屏風」は、雪村晩年の60歳代に、北関東の足利、佐野に滞在していた頃の大作。左右両隻に、それぞれ花鳥の様子をのびのびと描いているが、右隻は、早春の頃の生命の躍動を、左隻は、夏の夕暮れ時の静かさをテーマにしている。右が陽、動、剛のイメージを、左が陰、静、柔のイメージと言った具合に、左右対称を意識している図柄だ。
続きを読む
四季山水図屏風:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2020年1月21日 17:11
)
|
コメント(0)
雪村は山水図をよくしたが、これはそのうちの傑作。雪村の山水図屏風としては、比較的早い時期の作品と考えられる。山水図屏風は、この頃様式的な完成期を迎えていた。それは左右両隻の端に山容を描き、両者の中間に水景を描くというもので、構図的にもっとも安定したものである。雪村は、その構図法に従ってこの作品を描いている。
続きを読む
呂洞賓図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2020年1月18日 16:30
)
|
コメント(0)
呂洞賓は、中国八仙人の一人。中唐時代の実在の人物だといわれる。古くから仙人として尊崇され、元の武宗から神仙の称号を贈られた。純陽子とも称するが、それは周易の乾卦にもとづく。乾卦はすべて陽の爻からなる。それで純陽子というわけである。
続きを読む
蕪図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2020年1月14日 17:13
)
|
コメント(0)
蕪を描いたこの絵は、「叭叭鳥」同様、鎌倉円覚寺の四印道人こと景初周隋の着賛がある。鎌倉滞在時の作品であろう。地中から掘り出したばかりの一本の蕪を、飾らない単純な構図で描いている。形が大根のようにも見えるが、れっきとした蕪であることは、賛の文面からも推し量られる。
続きを読む
波岸図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2020年1月11日 17:43
)
|
コメント(0)
(波図)
「波岸図」には先行作品がある。南宋の画家玉澗の「波岸図」である。玉澗の作品は、波と岸の図を一つの画面に描いていたが、将軍足利義政が二枚に切断し、それぞれを「波図」、「岸図」と呼んで、茶人たちが愛好した。雪村は、その切断された波岸図を参考にして、この作品を描いた。はじめから二点の絵としてである。
続きを読む
山水図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2020年1月 7日 17:07
)
|
コメント(0)
雪村は「溌墨法」を用いて描いた「溌墨山水図」を数多く作った。この作品はその代表的なものである。溌墨法というのは、中唐の画家王墨が案出し、南宋の玉澗が大成した技術。墨をはねちらし、筆を使わずに形を整えるというものである。
続きを読む
列子図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2020年1月 4日 17:29
)
|
コメント(0)
列子は中国春秋時代の思想家で、道家の系列に属し、荘子よりやや以前に活躍した。その活動ぶりについては、「荘子」の中でも触れられている。それを読むと、虚を尊び、心身を空しくして天地自然と一体となり、風に乗って大空を飛行するのを好んだという。
続きを読む
琴高群仙図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2019年12月31日 17:10
)
|
コメント(0)
「琴高群仙図」は、琴高とその弟子たちにまつわる故事をテーマにした作品。琴高とは、中国の列仙伝に登場する仙人で、つぎのような逸話がある。琴高は趙の人であったが、山奥に住み、多くの弟子を持っていた。ある時弟子たちに向って、これから湖に潜って龍の子をとってくるから、皆は私の帰りを潔斎して待っていなさい、と。弟子たちが言われたとおりにして待っていると、赤い鯉に乗った琴高が水中より現われて、斎場の祠の中に座った。
続きを読む
叭叭鳥図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2019年12月28日 19:09
)
|
コメント(0)
「叭叭鳥図」は、雪村の作品で唯一制作年が明らかである。着賛に天文二十四年(1555)九月とある。この年、雪村は満五十歳前後で、もっとも脂ののったときだった。着賛は、鎌倉円覚寺黄梅院の僧景初周隋で、四印同人と号した。かれは本図を、易の卦「泰」にことよせて解釈した。泰の卦は、順風をあらわし、季節としては早春にあたる。この絵はだから、早春のおだやかな季節感をモチーフにしていると考えられる。
続きを読む
松に鷹図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2019年12月24日 17:13
)
|
コメント(0)
松に鷹は、戦国時代に好まれた画題。鷹の勇猛で精悍な姿が、戦国武士たちの嗜好にかなったからだ。この「松に鷹図」も武将の求めに応じて描いたものだろう。雪村の画法の神髄がよく発揮されている作品である。双福一対からなる。上は左手のもの。松の老幹に、一羽の鷹がこちらに背を向けて止まっているところ。その表情は精悍そのものである。
続きを読む
夏冬山水図(冬):雪村の世界
続壺齋閑話
(
2019年12月21日 17:44
)
|
コメント(0)
「夏冬山水図」のうち冬図は、雪山と川と月をモチーフにしている。画面奥に切り立った雪山があり、月はその背後から上っているところ。ちょうど満月だ。この月があるために、画面に独特の趣が出ている。
続きを読む
夏冬山水図(夏):雪村の世界
続壺齋閑話
(
2019年12月17日 17:11
)
|
コメント(0)
「夏冬山水図」双福は、「風濤図」とだいたい同じころに描かれた。夏図には、深山幽谷の奥をめざす高士とその従者を、冬図には、わが家への道を急ぐ農夫と漁夫が描かれている。どちらも、単に山水を描くにとどまらず、人間の生活をただよわせているわけである。
続きを読む
風濤図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2019年12月14日 17:27
)
|
コメント(0)
「風濤図」は、天文十七年(1548)前後に円熟期を迎えた雪村の代表作。風に騒めく波を超えて進む帆掛け船のけなげな様子を描く。本図を収めた古い箱の表に「山水帆掛け船 雪村筆」と記されていることから、もともとは山水帆掛け船と題されていたことがわかる。「風濤図」という題は、近年つけられたものである。
続きを読む
百馬図帖:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2019年12月10日 17:07
)
|
コメント(0)
「百馬図帖」は、雪村が鹿島神宮に奉納したもの。画帳に馬の絵を貼り付けたもので二種類ある。一つは横長の図面を貼り付けたもの、もう一つは縦長の図面を貼り付けたものである。奉納の時期は記されていないので明らかでないが、雪村が小田原に滞在した頃に、北条氏の武運を念じて奉納したと考えられている(鹿島大神宮は武神である)。そうだとすれば、天文17年前後ではないか。
続きを読む
楊柳水郭図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2019年12月 7日 17:41
)
|
コメント(0)
「楊柳水郭図」は、中国の画風に倣った初期の作品。江岸の楊柳の陰で、碧水に浮かんだ水郭を描いたこの絵の構図は、伝馬遠作「周茂叔愛蓮図」を基にしていると思われる。構図を借りながらも雪村は、動静と陰影を加え、自分らしさを表現している。
続きを読む
辛螺に蘭図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2019年12月 3日 17:22
)
|
コメント(0)
「辛螺に蘭図」は、落款に「中居斎雪村老翁筆」とあるところから、雪村四十歳頃の作品と考えられる。当時は齢四十をもって老人と称するのが普通だったからだ。モチーフは、辛螺の貝殻に植えられた蘭の花。辛螺は田螺に形の似た巻貝で、そんなに大きくはない。そこに欄を植えるというのだから、小さな種類の蘭なのだろう。
続きを読む
芙蓉竹の兎図:雪村の世界
続壺齋閑話
(
2019年11月30日 15:27
)
|
コメント(0)
雪村の初期作品としては、いくつかの動物図がよく知られている。これはそのうちの一点。茶色の絹本地に、水墨と岩絵具で、兎、芙蓉、竹を精緻に描いている。水墨は輪郭を描くほか、影をつけるのにも使っている。その輪郭線の内部を、岩絵具で丁寧に塗っている。芙蓉の花の色は胡粉で表現している。
続きを読む
雪村の世界
続壺齋閑話
(
2019年11月26日 17:21
)
|
コメント(0)
雪村は雪舟と並んで室町時代の日本の水墨画を代表する画家である。雪村に私淑してその名の一部を借用したほど尊敬していたが、雪舟と会ったという記録はない。雪村が生まれたのは雪舟より六十四年もあとのことであり、雪舟が死んだとき雪村はまだ二歳だったのである。にもかかわらず雪村は、雪舟の絵をこよなく愛し、自分も又その画風にあずかろうと願って雪村と名乗ったのであろう。
続きを読む
Previous
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
Next
« 11)日本文化考
|
メインページ
|
アーカイブ
|
40)古典を読む »
検索
姉妹サイト
更新履歴
壺齋閑話
東京を描く
日本語と日本文化
日本の美術
村上春樹を読む
万葉集を読む
伊勢物語絵巻
知の快楽
漢詩と中国文化
陶淵明の世界
英詩と英文学
マザーグースの歌
シェイクスピア
ブレイク詩集
ビートルズの世界
フランス文学と詩の世界
フランス民謡の世界
詩集:緋色の愛
豊穣たる熟女たち
TOKYO TOWNSCAPES
WATERCOLOR-水彩画
壺齋散人の美術批評
壺齋散人の映画探検
ロシア情勢を読む
中国を語る
動物写真を楽しむ
地球と宇宙の科学
人間の科学
あひるの絵本
学海先生の明治維新
人気ブログランキングへ
このブログを購読
本日
昨日
カテゴリ
日本語を語る (25)
日本文化考 (121)
日本の美術 (839)
古典を読む (334)
日本文学覚書 (286)
日本史覚書 (115)
漢詩と中国文化 (140)
英詩と英文学 (45)
ブレイクの挿絵 (102)
詩人の魂 (33)
読書の余韻 (258)
知の快楽 (440)
反哲学的エッセー (57)
美を読む (819)
人間の科学 (19)
地球と宇宙の科学 (50)
世界情勢を読む (432)
経済学と世界経済 (51)
日本の政治と社会 (491)
旅とグルメ (274)
動物写真・生命賛歌 (40)
水彩画を楽しむ (54)
映画を語る (981)
壺齋小説 (87)
日々雑感 (196)
最近のコメント
服部:
アメリカは病んでいる
続きを読む
梶ケ野彰:
そこはカネボウの発祥
続きを読む
服部:
中国はどのように考え
続きを読む
服部:
日本学術会議の学者が
続きを読む
服部:
日本学術会議はどんな
続きを読む
匿名:
コロナウイルスに感染
続きを読む
Dont Mind:
複雑な背景も有るよう
続きを読む
Dont mind:
イージス・アショア配
続きを読む
服部:
香港を抑えた中国は、
続きを読む
Dont Mind:
日頃から、ブログ主
続きを読む
最近のブログ記事
御厩河岸、深川木場:広重の名所江戸百景
千住の大はし、小梅堤:広重の名所江戸百景
浅草田甫酉の町詣、箕輪金杉三河しま:広重の名所江戸百景
浅草金龍山、よし原日本堤:広重の名所江戸百景
小奈木川五本まつ、両国花火:広重の名所江戸百景
鴻の台とね川風景、堀江ねこざね:広重の名所江戸百景
にい宿のわたし、真間の紅葉手児奈の社継はし:広重の名所江戸百景
請地秋葉の境内、木母寺内川御前栽畑:広重の名所江戸百景
上野山内月のまつ、猿わか町よるの景:広重の名所江戸百景
井の頭の池弁天の社、王子滝の川:広重の名所江戸百景
アーカイブ
月を選択...
2021年1月
2020年12月
2020年11月
2020年10月
2020年9月
2020年8月
2020年7月
2020年6月
2020年5月
2020年4月
2020年3月
2020年2月
2020年1月
2019年12月
2019年11月
2019年10月
2019年9月
2019年8月
2019年7月
2019年6月
2019年5月
2019年4月
2019年3月
2019年2月
2019年1月
2018年12月
2018年11月
2018年10月
2018年9月
2018年8月
2018年7月
2018年6月
2018年5月
2018年4月
2018年3月
2018年2月
2018年1月
2017年12月
2017年11月
2017年10月
2017年9月
2017年8月
2017年7月
2017年6月
2017年5月
2017年4月
2017年3月
2017年2月
2017年1月
2016年12月
2016年11月
2016年10月
2016年9月
2016年8月
2016年7月
2016年6月
2016年5月
2016年4月
2016年3月
2016年2月
2016年1月
2015年12月
2015年11月
2015年10月
2015年9月
2015年8月
2015年7月
2015年6月
2015年5月
2015年4月
2015年3月
2015年2月
2015年1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年9月
2014年8月
2014年7月
2014年6月
2014年5月
2014年4月
2014年3月
2014年2月
2014年1月
2013年12月
2013年11月
2013年10月
2013年9月
2013年8月
2013年7月
2013年6月
2013年5月
2013年4月
2013年3月
2013年2月
2013年1月
2012年12月
2012年11月
2012年10月
2012年9月
2012年8月
最近のコメント