日本の美術

宜雨:蕪村の十宜図

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蕪村の十宜図から「宜雨」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十宜」のうち「宜雨」は次のとおりである。

  小漲新添欲吼灘  小さく漲り新たに添ひ灘に吼えんと欲す
  漁樵散去野簑寒  漁樵散じ去って野簑寒し
  溪山多少空濛色  溪山多少の空濛の色
  付與詩人獨自看  詩人に付與して獨り自から看ん

宜風:蕪村の十宜図

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蕪村の十宜図から「宜風」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十宜」のうち「宜風」は次のとおりである。

  鳥歸花樹蝶過墻  鳥花樹に歸って蝶墻を過ぐ
  花與鄰花貿易香  花と鄰花と香を貿易す
  聼罷松濤觀水面  松濤を聼き罷みて水面を觀れば
  殘紅皺処又成章  殘紅皺む処又章を成す

宜陰:蕪村の十宜図

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蕪村の十宜図から「宜陰」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十宜」のうち「宜陰」は次のとおりである。

  煙霧蒙蒙莫展開  煙霧蒙蒙として展開せず
  好詩憑著黑云催  好詩は黑云の催せるあいだ(憑著)になる
  卷帘放卻觀天眼  帘(すだれ)を卷いて放卻し天眼もて觀れば
  多少奇峰作意來  多少の奇峰作意來る

宜晴:蕪村の十宜図

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蕪村の十宜図から「宜晴」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十宜」のうち「宜晴」はつぎのとおりである。

  水淡山濃瀑布寒  水淡く山濃くして瀑布寒し
  不須登眺自然寬  登眺するを須(もち)いずして自然寬かなり
  誰將一幅王摩詰  誰か一幅の王摩詰を將(もっ)て
  曬向當門倩我看  當門に曬(かざ)し向かひて我に看んことを倩ふ

宜晩:蕪村の十宜図

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蕪村の十宜図から「宜晩」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十宜」のうち「宜晩」は次のとおりである。

  牧兒歸去釣翁休  牧兒歸り去って釣翁休む
  畫上無人分外幽  畫上に人の分外に幽たる無し
  對面好山才別去  好山に對面して才(わずか)に別れ去る
  當頭明月又相留  當頭明月又た相ひ留まる

宜暁:蕪村の十宜図

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蕪村の十宜図から「宜暁」。もとになった李漁の漢詩「伊園十宜」のうち「宜暁」は次のとおりである。

  開窗放出隔宵雲  窗を開けて放ち出づれば宵雲隔たる
  近水樓臺易得昕  水に近き樓臺は昕(あした)を得易し
  不向池中觀日色  池中に向はずして日色を觀つつ
  但從壁上看波紋  但だ壁上に從って波紋を看る

宜冬:蕪村の十宜図

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蕪村の十宜図から「宜冬」。もとになった李漁の漢詩「伊園十宜」のうち「宜冬」は次のとおりである。

  茂林宜夏更宜冬  茂林夏に宜しく更に冬に宜し
  禦卻寒威當折衝  寒威を禦卻して當に折衝すべし
  小築近陽春信早  小築陽に近して春信(まこと)に早し
  梅花十月案頭供  梅花十月案頭に供ふ

宜秋:蕪村の十宜図

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蕪村の十宜図から宜秋図。もとになった李漁の詩「伊園十宜」のうち「宜秋」は次のとおりである。

  門外時時列錦屏  門外時時錦屏列なる
  千林非復舊時青  千林復た舊時の青さにあらず
  一從澆罷重陽酒  一に從って澆(そそ)ぎ罷む重陽の酒
  醉殺秋山便不醒  秋山に醉殺して便ち醒めず

宜夏:蕪村の十宜図

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「蕪村十宜図」から「宜夏」の図。もととなった李漁の漢詩「伊園宜夏」は次のとおりである。

  繞屋都將綠樹遮  屋を繞って都て將(これ)綠樹の遮ぎるところ
  炎蒸不許到山家  炎蒸山家に到るを許さず
  日長閑卻羲皇枕  日長くして閑卻す羲皇の枕
  相對忘眠水上花  相ひ對して眠りを忘る水上の花

宜春:蕪村の十宜図

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蕪村の「十宜図」シリーズは、池大雅の「十便図」とともに「十便十宜図」と称され、一括して国宝指定されている。この共作を企画したのは大雅だといわれる。大雅がまず、明の文人李漁の漢詩「伊園十便十二宜」の連作をもとに「十便図」を描き、残りの十二宜(実際には十宜)を絵にするよう蕪村に求めたのだった。蕪村はそれに応え、詩文に絵を添えて「十宜図」とした。時に明和八年、蕪村馬歯五十六の年である。

眺便:池大雅の十便図

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池大雅の十便図から「眺便」図。もととなった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「眺便」は次のとおりである。

  叱羊仙洞赤松山  羊を叱す仙洞赤松の山
  一日雙眸數往還  一日雙眸數しば往還す
  猶自未窮千里興  猶ほ自づから未だ千里の興を窮めず
  送雲飛過括蒼間  雲の飛び過ぐを送る括蒼の間

防夜便:池大雅の十便図

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池大雅の十便図から「防夜便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「防夜便」は次のとおりである。

  寒素人家冷落村  寒素たる人家冷落の村
  只凴泌水護衡門  只泌水に凴り衡門護る
  抽橋斷卻黃昏路  橋を抽して斷卻す黃昏の路
  山犬高眠古樹根  山犬高く眠る古樹の根

樵便:池大雅の十便図

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池大雅の十便図から「樵便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「樵便」は次のとおりである

  臧婢秋來總不閒  臧婢秋來總て閒かず
  拾枝掃葉滿林間  枝を拾ひ葉を掃ふ滿林の間
  抛書往課樵青事  書を抛って課に往く樵青の事
  步出柴扉便是山  柴扉を步み出れば便ち是れ山

課農便:池大雅の十便図

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池大雅十便図から「課農便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「課農便」は次のとおりである。

  山窗四面總玲瓏  山窗四面總て玲瓏
  綠野青疇一望中  綠野青疇一望の中
  凴几課農農力盡  几に凴りて農を課せば農力盡く
  何曾妨卻讀書工  何ぞ曾て讀書の工を妨卻せん

吟便:池大雅の十便図

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池大雅の十便図から「吟便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「吟便」は次のとおりである。

  兩扉無意對山開  兩扉意無くして山に對して開く
  不去尋詩詩自來  去らずして詩を尋ぬれば詩自づから來る
  莫怪囊慳題詠富  囊慳を怪しむ莫れ富に題詠するを
  只因家住小蓬萊  只だ家住の小蓬萊たるに因るのみ

釣便:池大雅の十便図

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池大雅の十便図から「釣便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「釣便」は次のとおりである。

灌園便:池大雅の十便図

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池大雅の十便図から「灌園便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「灌園便」は次のとおりである。

浣濯便:池大雅の十便図

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池大雅の十便図から「浣濯便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「浣濯便」は次のとおりである。

汲便:池大雅の十便図

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池大雅の十便図から「汲便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「汲便」は次のとおりである。

耕便:池大雅十便図

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十便十宜図のもととなった李漁の詩「十便十二宜」のシリーズには、全体の序文と言うべきものがある。この小文を大雅は、「耕便」図の右端に掲げており、それに接して、「耕便」の詩文を書き入れている。

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