続 壺 齋 閑 話
壺齋閑話の続編です 初編壺齋閑話は
こちら
から閲覧できます
ホーム
|
アーカイブ
|
プロフィール
|
メール
|
facebook
|
twitter
日本の美術
雪舟の山水図巻(秋冬)
続壺齋閑話
(
2017年1月28日 17:52
)
|
コメント(0)
(山水図巻秋)
山水図巻の画面は、季節ごとに均等に割り振られているわけではない。秋と冬はあわせて全体の四分の一程度である。これは夏珪の原作がそうだからか、あるいは雪舟の独自の配分なのか。日本人が秋がすきなのは雪舟の時代も変らぬと思うので、おそらく原作の構成に左右されたのではないか。
続きを読む
雪舟の山水図巻(春夏)
続壺齋閑話
(
2017年1月24日 17:34
)
|
コメント(0)
(山水図巻冒頭部分)
帰朝後の雪舟は、図巻形式の山水図をいくつか描いた。文明三年の「倣夏珪山水図巻」をはじめとして、山水図巻(京都国立博物館)、山水小巻、狩野探幽模「山水図巻」などである。それらはいづれも、横長の画面に四季の風景の変化を順を追って描いているというもので、山水画を日本古来の図巻形式で表現しようとしたものだ。雪舟以前の室町時代の山水画は、軸のような縦長の画面で表現するのが普通だったが、雪舟はそれを意図的に横長の画面に移し変える試みを行ったのである。
続きを読む
雪舟の倣夏珪山水図
続壺齋閑話
(
2017年1月21日 18:10
)
|
コメント(0)
(夏景山水図<倣夏珪>)
雪舟は在明中に中国画に学ぶ一方、著名な画家の絵を求め、それを携えて日本に戻った。そしてそれらの絵を模倣しながら、自分の画風の確立に努力した。雪舟が模倣した画家は何人かあるが、中でも夏珪は最も強い影響を雪舟に及ぼした画家であった。南宋時代の画院画家で、南宋院体の代表的な作家と目されている。日本にも「雨景山水図」などが今に伝わっている。
続きを読む
四季山水図(冬):雪舟の山水画
続壺齋閑話
(
2017年1月17日 17:29
)
|
コメント(0)
四季山水図(ブリジストン美術館蔵)四幅のうち冬図。このシリーズの絵の中では、構図がもっとも安定している。空の余白の部分は少ないが、その分背景の山と前景の景色との調和が画面を安定させている。左上の空の余白と右下の水の部分とが対応しているところも、構図の安定に役立っている。
続きを読む
四季山水図(秋):雪舟の山水画
続壺齋閑話
(
2017年1月14日 17:52
)
|
コメント(0)
四季山水図(ブリジストン美術館蔵)四幅のうち秋図。東京博物館蔵の四季山水図秋図が、画面中央の広い部分に雲煙を配し、それで以て画面を上下に二分しているのに対して、これは背景の山と前景の自然とを近接させて、しかも明瞭な線で描かれている。
続きを読む
四季山水図(夏):雪舟の山水画
続壺齋閑話
(
2017年1月10日 17:41
)
|
コメント(0)
四季山水図(ブリジストン美術館蔵)四幅のうち夏図。東京博物館の四季山水図夏図と比較すると、その相違が大きいことがわかる。まず構図。後者は画面上部の中ほどに、背景として岩山を配し、その前面に近景として山里を描いていたが、こちらは、画面中ほどから左手方向に絶壁を配し、その絶壁の真下に山里を描いている。また、後者には雲煙があるのに、こちらはそうしたものはなく、すっきりと描かれている。
続きを読む
四季山水図(春):雪舟の山水画
続壺齋閑話
(
2017年1月 7日 17:56
)
|
コメント(0)
ブリジストン博物館所蔵の四季山水図四幅は、落款や押印がないが、雪舟の真筆と断定されている。同じく四季山水図でも、東京博物館所蔵の在明中のものに比べて、一回り小さい。製作時期は、画風に中国の影響が見られるところから、帰朝後間もない時期に描かれたのだと考えられる。
続きを読む
四季山水図(冬):雪舟の水墨画
続壺齋閑話
(
2017年1月 3日 18:12
)
|
コメント(0)
四季山水図四幅のうちの冬図。峨々たる岩山を背景に山里の寒々とした風景を描いている。背景の岩山も左手前景の岩山も雪をかぶって白くなり、山里の家々も雪に埋もれて沈黙の風情をかもし出している。四季山水図四幅のなかでは、もっとも日本的な雰囲気を感じさせる。
続きを読む
四季山水図(秋):雪舟の水墨画
続壺齋閑話
(
2016年12月31日 17:58
)
|
コメント(0)
四季山水図四幅のうち秋図。これも他の三幅同様、高山を背景にした里の風景を描いている。どの山と、どの里をテーマに描いたのかは、全く判っていない。おそらく李在はじめ中国当代の画家たちの絵を参考にして、雪舟が自在に構成したのではないかと思われるが、雪舟が折に触れスケッチしておいた実景をもとに描いたという解釈もないわけではない。
続きを読む
四季山水図(夏):雪舟の水墨画
続壺齋閑話
(
2016年12月27日 16:10
)
|
コメント(0)
四季山水図四幅のうち夏図は、李在の山水図(東京博物館蔵)に非常に似ているので、よく比較される。まづ構図だが、画面全体に景物をくまなく配した構図が、両者に共通している。描法も、遠くの山をぼかすことで遠近感を出したり、山の麓に白い霞を介在させることで上下の高低感を表したりするところが共通している。
続きを読む
四季山水図(春):雪舟渡明中の水墨画
続壺齋閑話
(
2016年12月24日 18:03
)
|
コメント(0)
現在に伝わる雪舟の作品のうちもっとも早い時期に描かれたのは、東京国立博物館所蔵の「四季山水図」四幅である。この作品は、雪舟の渡明時代に北京で描かれたことが、落款や呆夫良心の「天開図画楼記」などからわかる。雪舟は、応仁元年(馬歯四十八)に渡民し、同三年(五十)に帰国したが、その間に北京でこれを描いたのである。
続きを読む
雪舟の世界
続壺齋閑話
(
2016年12月22日 18:03
)
|
コメント(0)
雪舟は、日本の美術史上、個人の名が前面に出た最初の芸術家と言える。彼以前には、日本の芸術は、基本的には匿名作品だった。鳥獣戯画の作者とされる鳥羽僧正は、実在の芸術家というより、象徴的な意味を持たされた存在だったといえるし、運慶や快慶は、確かに個人として卓越した技術を持っていたが、歴史的には個人としてよりも、技法の集団を代表するという意味合いで言及されることが多かった。特定個人の名と結びついた芸術が日本に現れるのは、雪舟以後と言ってもよい。
続きを読む
小林清親の花鳥動物画
続壺齋閑話
(
2016年12月20日 18:09
)
|
コメント(0)
(猫と提灯 明治十年)
小林清親は、東京名所図刊行の傍ら、花鳥や動・植物をモチーフにした版画も製作した。それらは、実用的な価値のある東京の名所図とは違って、あまり売れなかったようだが、清親は自分の画家としての矜持から、こうしたテーマも積極的に描いたようだ。
続きを読む
亀井戸藤、本所御蔵橋:小林清親の東京名所図
続壺齋閑話
(
2016年12月17日 18:03
)
|
コメント(0)
(亀井戸藤 明治十四年)
亀戸天神は十七世紀の中ごろの寛文年間に、菅公の子孫によって創建された。以後関東地方における天神信仰の一大拠点として栄えてきた。いまでも湯島の天神様と並んで、学問の神様として、特に受験生を中心に、広い信仰を集めている。
続きを読む
浅草田圃太郎稲荷、浅草蔵前夏夜:小林清親の東京名所図
続壺齋閑話
(
2016年12月15日 16:31
)
|
コメント(0)
(浅草田圃太郎稲荷)
浅草田圃は吉原の裏手にあった田地である。吉原は、浅草とは反対側の北東部に入り口があったから、その裏手といえば、吉原と観音堂との中間地帯に当たる。徳川時代の古地図を見ると、吉原の周辺一帯が田地として表示されているから、吉原が田圃の中の、いわば水中楼閣のようなものだったわけだ。
続きを読む
浅草夜見世、浅草寺雪中:小林清親の東京名所図
続壺齋閑話
(
2016年12月13日 18:02
)
|
コメント(0)
(浅草夜見世 明治十四年)
浅草は、観音堂の門前町として古くから賑わったが、徳川時代になると、北隣に新吉原の遊郭街が出来、また観音堂の周辺に芝居小屋が出来たりして、庶民の賑わう町になった。その賑わいは明治以降にも引き継がれ、昭和の初め頃までは日本最大の繁華街を形成していた。
続きを読む
浜町より写両国大火、両国大火浅草橋:小林清親の東京名所図
続壺齋閑話
(
2016年12月10日 19:32
)
|
コメント(0)
(浜町より写両国大火 明治十四年)
明治十四年の一月に東京では大火があった。神田松枝町から出火し、神田および両国一帯を焼き、火は橋を伝って、対岸の本所側まで燃え広がった。東京の下町を焼きつくした明治期最大規模のこの火災を、神田の大火とも両国の大火ともいう。
続きを読む
常盤橋内紙幣寮之図、一石橋夕景:小林清親の東京名所図
続壺齋閑話
(
2016年12月 8日 17:56
)
|
コメント(0)
(常盤橋内紙幣寮之図)
紙幣寮は大蔵省印刷局の前身である。明治四年に役所として設立され、紙幣の発行や銀行の許認可などを所掌していた。だが、役所の設立当時は、技術的な問題があって紙幣の印刷はドイツなどの外国に依頼していた。日本で印刷するようになるのは、明治十年以降のことである。
続きを読む
芝増上寺日中、赤坂紀伊国坂:小林清親の東京名所図
続壺齋閑話
(
2016年12月 6日 18:23
)
|
コメント(0)
(芝増上寺日中)
芝増上寺は、上野の寛永寺と並んで徳川家の菩提寺である。十五代将軍のうち六人がここに葬られた。寛永寺が天台宗なのに対して増上寺は浄土宗である。また寛永寺が江戸城から見て鬼門の方向にあるのに対して、増上寺は裏鬼門にあたる。
続きを読む
大川岸一之橋遠景、隅田川枕橋前:小林清親の東京名所図
続壺齋閑話
(
2016年12月 3日 17:46
)
|
コメント(0)
(大川岸一之橋遠景 明治十三年)
墨東地区を東西に流れる堀川のうち、本所・深川境界沿いのを竪川と言い、西側から数えて、一之橋から六之橋まであった。この掘割はもともと縦川といったのだが、後に言葉の洒落で竪川と書かれるようになった。
続きを読む
Previous
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
Next
« 11)日本文化考
|
メインページ
|
アーカイブ
|
40)古典を読む »
検索
姉妹サイト
更新履歴
壺齋閑話
東京を描く
日本語と日本文化
日本の美術
宮沢賢治の世界
村上春樹を読む
万葉集を読む
伊勢物語絵巻
知の快楽
漢詩と中国文化
陶淵明の世界
英詩と英文学
マザーグースの歌
シェイクスピア
ブレイク詩集
ビートルズの世界
フランス文学と詩の世界
フランス民謡の世界
詩集:緋色の愛
豊穣たる熟女たち
TOKYO TOWNSCAPES
WATERCOLOR-水彩画
壺齋散人の美術批評
壺齋散人の映画探検
ロシア情勢を読む
中国を語る
動物写真を楽しむ
地球と宇宙の科学
人間の科学
あひるの絵本
学海先生の明治維新
人気ブログランキングへ
このブログを購読
本日
昨日
カテゴリ
日本語を語る (26)
日本文化考 (297)
日本の美術 (1011)
古典を読む (334)
日本文学覚書 (365)
日本史覚書 (189)
漢詩と中国文化 (140)
英詩と英文学 (49)
ブレイクの挿絵 (102)
詩人の魂 (34)
世界の文学 (131)
読書の余韻 (335)
知の快楽 (619)
反哲学的エッセー (101)
美を読む (1216)
人間の科学 (21)
地球と宇宙の科学 (51)
世界情勢を読む (512)
経済学と世界経済 (77)
日本の政治と社会 (607)
旅とグルメ (293)
動物写真・生命賛歌 (74)
水彩画を楽しむ (54)
映画を語る (1481)
壺齋小説 (87)
日々雑感 (303)
最近のコメント
√6意味知ってると舌安泰:
続きを読む
操作(フラクタル)自然数 :
≪…円環的時間 直線
続きを読む
ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな:
≪…アプリオリな総合
続きを読む
[セフィーロート」マンダラ:
≪…金剛界曼荼羅図…
続きを読む
「セフィーロート」マンダラ:
≪…直線的な時間…≫
続きを読む
ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな:
≪…近親婚…≫の話は
続きを読む
存在量化創発摂動方程式:
≪…五蘊とは、色・受
続きを読む
ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな:
≪…性のみならず情を
続きを読む
レンマ学(メタ数学):
≪…カッバーラー…≫
続きを読む
ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな:
≪…数字の基本である
続きを読む
最近のブログ記事
湘南風景:萬鉄五郎の風景画
窓:萬鉄五郎の心象画
水着姿:萬鉄五郎の人物画
T子像:萬鉄五郎の肖像画
少女の像(次女馨子):萬鉄五郎の肖像画
地震の印象:萬鉄五郎の印象風景画
少女(校服のとみ子):萬鉄五郎の肖像画
ねて居る人:萬鉄五郎の裸婦像
風景:萬鉄五郎の抽象風景画
裸婦:萬鉄五郎のキュビズム風肖像画
アーカイブ
月を選択...
2024年3月
2024年2月
2024年1月
2023年12月
2023年11月
2023年10月
2023年9月
2023年8月
2023年7月
2023年6月
2023年5月
2023年4月
2023年3月
2023年2月
2023年1月
2022年12月
2022年11月
2022年10月
2022年9月
2022年8月
2022年7月
2022年6月
2022年5月
2022年4月
2022年3月
2022年2月
2022年1月
2021年12月
2021年11月
2021年10月
2021年9月
2021年8月
2021年7月
2021年6月
2021年5月
2021年4月
2021年3月
2021年2月
2021年1月
2020年12月
2020年11月
2020年10月
2020年9月
2020年8月
2020年7月
2020年6月
2020年5月
2020年4月
2020年3月
2020年2月
2020年1月
2019年12月
2019年11月
2019年10月
2019年9月
2019年8月
2019年7月
2019年6月
2019年5月
2019年4月
2019年3月
2019年2月
2019年1月
2018年12月
2018年11月
2018年10月
2018年9月
2018年8月
2018年7月
2018年6月
2018年5月
2018年4月
2018年3月
2018年2月
2018年1月
2017年12月
2017年11月
2017年10月
2017年9月
2017年8月
2017年7月
2017年6月
2017年5月
2017年4月
2017年3月
2017年2月
2017年1月
2016年12月
2016年11月
2016年10月
2016年9月
2016年8月
2016年7月
2016年6月
2016年5月
2016年4月
2016年3月
2016年2月
2016年1月
2015年12月
2015年11月
2015年10月
2015年9月
2015年8月
2015年7月
2015年6月
2015年5月
2015年4月
2015年3月
2015年2月
2015年1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年9月
2014年8月
2014年7月
2014年6月
2014年5月
2014年4月
2014年3月
2014年2月
2014年1月
2013年12月
2013年11月
2013年10月
2013年9月
2013年8月
2013年7月
2013年6月
2013年5月
2013年4月
2013年3月
2013年2月
2013年1月
2012年12月
2012年11月
2012年10月
2012年9月
2012年8月
最近のコメント