ミロス・フォアマンの1999年の映画「マン・オン・ザ・ムーン(Man on the Moon)」は、1970年代後半から80年代前半にかけてテレビなどで活躍したコメディアン、アンディ・カウフマンの半生を描いた作品。カウフマンは日本では全くといってよいほど知られていないが、アメリカでは結構人気があったそうだ。ギャグとドタバタを組み合わせたアメリカ人好みの演技がうけたということらしい。だが、本人はそれを、大衆におもねる低俗趣味だといって、自嘲していたという。この映画は、そうしたカウフマンのやや複雑な心境を表現するものとなっており、ただのお笑い映画ではない。
ミロス・フォアマンの1996年の映画「ラリー・フリント(The People vs. Larry Flynt)」は、過激なポルノ雑誌「ハスラー」の創刊者ラリー・フリントの半生を描いた作品。このポルノ雑誌は、ただでさえ過激な性描写を売り物にしていることに加え、するどい社会批判を伴ってもいたので、保守的な人々から目の敵にされた。それゆえ、フリントは生涯敵と戦うことを余儀なくされた。この映画は、そんなフリントの戦いぶりを描いたものである。
キャロル・リードの1947年の映画「邪魔者は殺せ(Odd Man Out)」は、アイルランド紛争の一こまを描いたものだが、紛争の現実そのものには触れておらず、アイルランドの独立派の一部が、闘争資金をかせぐために強盗を働く様子を描いている。そういう意味では、ちょっと高級感のあるギャング映画といってよい。
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