2017年のフィンランド映画「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」は、第二次世界大戦の一環として行われたフィンランドとソ連との戦争(通称ソ芬戦争」をテーマとした作品。この戦争は二つの段階からなる。一つは1939年11月にソ連軍のフィンランド侵略に始まったもので、冬戦争と呼ばれる。これは三か月後に停戦が成立し、フィンランドは独立を守ったが、カレリア地峡など領土の一部を失った。もう一つは、1941年6月から44年9月まで行われたもので、継続戦争と呼ばれる。この継続戦争をフィンランドは、ナチスドイツの同盟軍という形で戦った。ナチスがソ連に勝つことを予想して、そのナチスの力を利用して失われた領土を取り戻そうとしたわけである。しかしナチスドイツは敗北し、フィンランドもまた枢軸国側の敗戦国となった。そうした歴史の皮肉を、クールなタッチで描いた作品である。
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