日本の政治と社会

「ひろゆき」なる人物について、小生はそれが悪名高い掲示板サイト「2チャンネル」の創始者であることくらいしか知らないし、また知りたいとも思わなかった。時折ネット上で炎上する言動をして満足しているらしい人間と、かかわりたくもなかったのだ。ところが世の中には物好きな人がいるようで、その「ひろゆき」なる人物を社会学的な視点から分析してみせてくれる。雑誌「世界」の最新号(2013年3月号)に掲載された小論「ひろゆき論」(伊藤昌亮著)がそれだ。

岸田政権が、新たな財源として国債を発行する決定をしたという。この国債は、一応、脱炭素のための環境対策に使うと言っているが、EUで実施されているグリーン債とは異なり、火力発電や原発関連にも使われるという。だからその名称を、EUのような「環境債」ではなく、「移行債」とするそうだ。

このところ、岸田政権が中国を仮想敵国とみなすような動きを強めている。今年はG7主催国という立場でもあり、G7諸国に向かって対中連携を呼びかける動きをしているし、また、バイデン米大統領との会談では、中国を意識して、軍事力を飛躍的に拡大させたうえで、その軍事力でもって米軍と協力し、日米一体となって中国を叩く姿勢を見せた。それに対してバイデンは大いに満足の意を表したということだ。

雑誌「世界」最新号(2023年2月号)のコロナ特集に、日本政府のコロナ対策の失敗を厳しく批判した論文が掲載されている。「なぜ日本のコロナ対策は失敗を続けるのか」と題したこの論文(米村滋人著)は、諸外国と比較しながら日本政府のコロナ対策が失敗した事実を検証したうえで、その原因と今後の対策のあり方についての提言を示している。

雑誌「世界」最新号(2023年2月号)の中国特集のうち、福田康夫元首相へのインタビュー記事を興味深く読んだ。最近アメリカが中国に対して敵対的な姿勢を強め、それに呼応するかたちで日本でも中国脅威論が高まっているが、福田はそうした傾向に警告を鳴らしている。福田といえば、自民党内の保守派に属しているので、とかくタカ派的なイメージで見られがちだが、「習近平の中国とどう向き合うか」と題したこのインタビュー記事を読む限り、穏健な立場に立っており、日本の対中政策がもっと現実を踏まえた、しかも自主性をもったものになるように願っているようである。

岸田政権は日本学術会議のコントロールにやっきになっているように見える。政府が学術会議を直接コントロールしたいという意向を露骨に示したのは菅政権の時のことで、その際には、政権の意に沿わない人の会員任命を拒絶するという大人げない方法をとったものだったが、岸田政権はもっとソフィスティケートされた方法を考えているようである。いま最も有力な案は、学術会議が直接会員の任命権を行使するのではなく、第三者機関を設けて、その意向を会員人事に反映させるというものだ。要するに学術会議の自主的な会員任命権に制約を加え、政府の意向を反映させるような制度を導入しようということだ。人事を通じて政府の意向を貫徹するというやり方は、安倍政権が得意としたものだが、それを岸田政権も受け継いだということか。

雑誌「世界」の最新号(2023年1月号」に寄せられた文章の中で、「交錯する『二つの西洋』と日本の『脱亜入欧』」(西谷修)という文章がひときわ印象深く受け取られた。この文章は、いま世界を騒がせているウクライナ戦争の背後に、「西洋(西欧+アメリカ)のロシアに対する伝統的な敵意を読み取る一方で、日本がその「西洋」の一員たらんとして、新たな「脱亜入欧」を目指していることを指摘しているのだが、それが小生にとって印象深く映ったのは、折からの岸田政権の動きが念頭にあったからである。岸田政権は、ウクライナ戦争に乗ずる形で防衛予算の倍増政策を打ち出す一方、その強化された防衛力で、「敵基地攻撃」能力を獲得しようとしている。その「攻撃能力」をもって、アメリカと連携しながら、日本に敵対する国に対して、戦争をしかけることも辞さないと言っているのである。その戦争の相手、つまり攻撃すべき国が中国であることは、前後の事情を踏まえれば明白なことだ。つまり日本はアメリカとともに近い将来対中戦争に踏み切る意思を、内外に示したといって過言ではない。

かつてトランプが大統領だった時に、日本を含めた同盟国に防衛予算の大幅増加を要請したのは、アメリカの負担軽減という意味合いもあったが、もっと露骨にいうと、増加した防衛予算で米軍需産業への注文を増やし,米国経済を潤したいという意向が働いていたと考えられる。その際、日本は聞こえないふりをして、トランプの要請にストレートに応えようとはしなかったものだ。

「クリーンなタカよりダーティなハトのほうがまし」という言葉が、一時メディア界ではやったことがあると聞いたことがある。おそらく田中角栄のような政治家を念頭においたものだと思う。田中角栄は、とかくダーティなイメージがつきまとっていたが、国際関係をめぐっては、平和主義者であって、中国との和解をすすめるなど、国際協調の精神も感じさせた。

昨日(10月4日)の朝、ラヂオでスペイン語講座を聞いている最中、いきなり臨時ニュースのようなものに切り替わって、講座が中断された。何事かと思えば、北朝鮮が日本に向かってミサイルを発射したので、Jアラートなるものを発出したのだという。Jアラートというのは、北朝鮮のミサイル発射を対象にしたもので、5年前に始めて発出された経緯がある。その際は、北朝鮮の発射した短距離ミサイルが北海道の上空を通過し、襟裳岬の沿海に落下したというので、その軌道上にある北海道がアラートの対象となった。ところが今回は、アラートの対象は北海度から青森県にかけての地域と、伊豆諸島及び小笠原だという。北海道と伊豆諸島とは方角が違うので、その両者に発出されたということは、ミサイルが二発発射されたのかといぶかったものだ。

安倍晋三元首相の国葬があった日(9月27日)、小生はパソコンが壊れてしまい手持ちぶさただったせいもあり、その様子をテレビ中継で垣間見た次第だった。パソコンが壊れた理由は、ウィスキーのハイボールをぶちまけてしまったこと。そのためハードディスクがクラッシュし、BIOSが駆動しなくなってしまった。こうなると、もうお手上げである。重要なデータのいくつかは前日にバックアップをとっておいたので、全滅にはいたらなかったが、それでも今年分の日記とか備忘録的なデータが消滅してしまった。そういうわけで、国葬を見て感じたことを、当日中にブログに載せることができなかった。だが、あたらしく取り寄せたパソコンが二日後には届いたので、今日(7月29日)には、こうしてネットにアクセスすることができるようになった。

岸田政権が発足して以来、小生は表立っての批判を差し控えてきた。岸田政権に大きな期待を寄せているわけではないが、安倍晋三やその亜流に比べれば、ずっとましだろうと思い、当面は彼に政権をゆだねて余計なことは言わないようにしようと考えたのだ。だが、最近の彼の振舞いを見ていると、そうした期待が裏切られたと感じざるを得ない。その理由は二つある。一つはかれの独善的な傾向が目立ってきたということだ。もう一つは、かれが鳴り物入りで喧伝した「新しい資本主義」の具体的な内容が見えてきたことだ。

コロナの第七波が爆発的な広がりを見せている。連日20万人から30万人の感染が報告され、いまや、世界でもっともひどい状況に陥っている。一時は、世界でもっとも感染が少なく、優等生と言われていた日本が、なぜこんなことになってしまったのか。その疑問に答えてくれそうな見解を、雑誌「世界」の最新号(2022年9月号)で読んだ。

雑誌「世界」の最近号(2022年8月号)が、「ジャーナリズムの活路」と題して、日本のジャーナリズムが直面している困難について特集している。一応、ジャーナリズム一般をテーマとしているが、中でも新聞の直面している状況に対して深刻な問題意識を持ったものにインパクトがある。そこでここでは、新聞を中心にして日本のジャーナリズムが直面している課題について、小生なりに考えてみたところだ。

いま公開中の映画「PLAN75」がちょっとした話題になっているそうだ。これは女性監督早川千絵さんの作品で、いわゆる不要老人問題を扱っている。不要老人という言葉は、決して異様な言葉ではない。なにしろ現職の総理大臣が、口をひん曲がらせながら、無用(不要)になった年寄りは早く死んでもらいたいと公言して以来、日本ではあちこちで声高に叫ばれるようになったからだ。

中央銀行の総裁は政治から中立であることが望ましいので、時の政権の気に食わぬからと言って、簡単に交代させるべきではない、というのが正論だ。だが、それには時と場合があると付け加えねばなるまい。中央銀行の総裁が、自国の貨幣の価値を毀損し続け、自国の経済を破滅に追い込むような場合には、速やかに交代させるべきである。

ゼンレスキーが日本の国会でも演説した。その様子をテレビが中継放送していたので、小生も聞いた次第だ。彼が日本の国会で演説することについては、反対の意見もあったようだが、いま世界中に鳴り響いている反ロシアの大合唱の中では、G7の一員としての日本には、この問題(プーチンのウクライナ侵攻という事態)に対して、不関与という選択はなかったように思う。

アメリカやEU諸国の対ロ制裁に同調するかたちで、日本も対ロ制裁に踏み切った。それに対してロシアが早速反発してみせた。これは日本によるロシアへの敵対行為であるから、ロシアも相応の反撃を行う。具体的には北方領土の問題や平和条約についての交渉をとりやめ、また、日本人による北方領土へのビザなし訪問や経済協力協議についても停止するというものだ。

プーチンに侵略を許しているウクライナの大統領ゼレンスキーが、西側各国に支援を求める活動の一環として、イギリスやアメリカの議会で、オンライン形式ながら演説した。演説の基本的な内容は西側諸国がウクライナの立場に立って対ロ参戦してほしいということだ。もし軍事的な活動ができないなら、せめて経済制裁を強めたり、ウクライナへの支援物資を増やしてもらいたい、と訴えている。

プーチンのウクライナ侵攻という事態を受けて、アメリカはウクライナ側に立って、ロシア包囲網を呼びかけているが、いまのところは、経済政策に踏みとどまり軍事的オプションは考えていないようだ。しかしアメリカという国にはわからないところがあって、国民の一時的熱狂が、大統領に対ロ宣戦を決断させないとも限らない。そうなった場合、日本も対ロ参戦を強いられる可能性がある。日本は果たしてどうすべきか。

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