日本の政治と社会

オバマが現職の米大統領として始めて広島を訪れた。歴史的な出来事には違いない。日本では、あわせて行われた伊勢・志麻サミットの話題が吹き飛ぶほどのインパクトを以て迎えられたし、世界中のメディアも注目した。日本のメディアにはこれを手放しに近い歓迎振りで好意的に論評するものが多い一方、アメリカのメディアはおおむね冷静に受け止めている。アメリカ国内で根強い原爆投下必要論を配慮してこの訪問を批判する論調はあまり見られないようだ。

来る伊勢志摩サミットで見逃せない意味を持つのは、G7首脳が揃って伊勢神宮を訪問することだ。このことについてはなぜか、日本の大手メディアは論評を控えており、海外のメディアも大きくはとりあげていない。おそらく伊勢神宮についての認識が、靖国神社ほどには広まっていなからだろう。そんななかで英誌エコノミストが興味ある論評をしている。後日の参考のために引用しておきたい。

安部晋三政権が登場して以来、日本の報道の自由度が悪化し、いまや韓国以下の酷い状況だと国際NGOに評価されたことを、先日このブログでもとりあげた。それと同じようなことを、昨日(5月4日)の朝日の天声人語が話題にしていた。それによれば、かつては「報道の自由」の旗を高く掲げ、中国共産党や財界の不正に果敢に取り組んでいた香港の新聞や雑誌が、いまでは権力に抑圧されてすっかりおとなしくなってしまった。そんな香港に比べても、日本の報道の自由度は低く評価されていると言って、天声人語子はため息をついてみせたのである。

安倍政権が登場して以来、日本の報道の自由度が次第に弱まり、いまや先進国中最低になったばかりか、お隣の韓国以下になった、と国際NGOからお墨付きまでもらったことは、記憶に新しい。その理由は無論権力側からの抑圧にもあるが、それ以上にメディア側に問題があるというふうに見られている。日本の国内にいる我々日本人の目にはなかなか見えにくいが、外国のジャーナリストの目には、日本のメディアの姿勢は権力に跪拝しているように見えるらしい。ジャパン・タイムズに寄せられたコラムを読むと、そのへんが多少見えてくる。そこで後日の参考のために引用しておきたい。


某女性タレントが、安倍政権肝いりの「一億総活躍国民会議」に呼ばれ、その席上PTAに触れて、本来任意加入のはずなのに実際には強制的に加入させられている実態があるが、それはおかしいという旨の発言をしたというので、話題になっている。この女性タレントは母親としての立場から意見を述べたのだが、日頃同じような疑問を感じていたという母親たちから、多くの共感の声が寄せられているという。

朝日新聞が、今日(4月13日)付の社説で、右翼による言論封殺を批判していた。「放送法遵守を求める視聴者の会」を名乗る右翼団体が、TBSの報道姿勢を監視する動きを強める一方で、TBSへの広告の出稿を計画する企業に、自粛を求めて圧力をかけているのは、自由な言論活動を封殺しようとするもので、見過ごせないという趣旨の批判だ。

安倍晋三総理大臣が、防衛大学校の卒業式に臨み、自衛隊の幹部候補生たちを前に訓辞を垂れた。曰く、「新しい任務でも、現場の隊員たちが安全を確保しながら適切に実施できるよう、あらゆる場面を想定し、周到に準備しなければならない」。ここで安倍総理が言っている「新しい任務」とか、「周到な準備」とかが何を具体的に意味しているのか気になるところだ。

選挙権年齢の18歳への引き下げに伴い、高校生の政治活動を監視しようとする動きが出てきている。たとえば愛媛県では、県立高校の生徒に対して、校外の政治活動に参加する場合には学校に事前に届けることを義務づけるような動きが出ている。今のところは校則を変更する場合の参考という位置づけにして、必ずしもすべての学校にそうしろと強制するつもりはないと教育委員会は言っているらしいが、これが学校に対するプレッシャーになるだろうことは、多くの識者が指摘するとおりだ。

新国立競技場の設計過程で、聖火台の設置が想定されていなかった問題で、批判の矛先になっている大会組織委員会の森某会長が、身内とも言うべきラグビー関係者の会合の席で、大いに反論したそうだ。森会長によれば、今回の問題の責任は組織委員会ではなく、建設の事業主である日本スポーツ振興センター(JSC)と馳浩文部科学相にある。とくにJSCの責任は大きい。こういう「少し頭のおかしな連中が、聖火台を忘れた設計図を作った」と言って、自分たち組織委員会は被害者だと言わんばかりだ。

安倍政権によるメディアへの言論統制は、日本の国内では大した抵抗に合わず、着々と成果を上げているように見える。先日は、電波を所管する総務大臣が、政治的公正を逸脱したと自分の判断したものには、電波を停止すると発言し、安倍総理もそれを追認したところだが、この「脅迫」に対して各放送局は、何ら効果的な反論をしないばかりか、萎縮しているようにも見える。そこをまた安倍政権側が見透すかして、ますますかさにかかって統制の圧力を高めている、というのが今の日本の言論をめぐるお寒い状況だ。そのお寒い状況をアメリカのメディア、ワシントンポスト紙(WP)が、わざわざ社説で批判している。それを参考のために引用しておきたい。

辺野古の米軍基地建設工事を巡って、安倍政権と沖縄県が訴訟合戦を展開して全面対決しているさなか、裁判所から出された和解勧告に、当初は従うつもりのなかった安倍政権が従う判断に傾いた。これを大方のディアは、翁長沖縄県知事の粘り勝ちのように報道しているが、ことはそう単純なものではない。

民主党の野田前総理大臣が連合の会合で挨拶に立ち、その中で現在岡田執行部が進めている野党再編に触れて持論を述べたそうだ。岡田さんが維新と合併しようとしていることについては、自分は不本意ながら同意する。しかし、野党結集の名のもとに小沢一郎と手を結ぶことは許せない、そんな趣旨のことを述べたという。その理由は、小沢一郎がごちゃごちゃと口を出したおかげで、民主党が分裂し、いまのような体たらくに陥った、その責任はあげて小沢一人にある、といった口吻のようだ。

参議院憲法審査会の質疑のなかで、自民党の某議員が、日本がアメリカの51番目の州になるべきだという趣旨の発言をしたそうだ。この事自体大いに問題だが、この議員はこの発言の関連で、オバマ大統領が黒人であることに触れ、黒人奴隷の子孫であるものでさえアメリカ大統領になれた、というような発言を併せて行った。メディアが飛び付いたのは、こちらのほうで、この発言が人種差別だといって騒ぎ立てた。一方、日本が米の51番目の州になるべきだとの発言については、ほとんど問題とされなかった。

タレントのベッキー(本名レベッカ・エリ・レイ・ヴォーン)が、妻帯者の男性と不倫したというのでスキャンダルとなり、散々なバッシングにあったうえで、芸能界から事実上追放されるという事態に追い込まれた。一方、不倫の相手方のタレント男性は、道義上の非難は浴びたものの、バッシングの程度はベッキーのように激しくはなく、芸能界から追放されるようなことはなかった。一方的に悪者にされ、世間に向かって深々と頭を下げて、謝りつづけるベッキーの姿だけが、印象に残った。その印象は無論後味の悪いもので、日頃芸能界などには関心のない筆者のような者の目にも、彼女のそうした姿が可哀そうに映ったものだ。

国会の質疑の中で安倍晋三総理大臣が「自衛隊は違憲」という発言をしたそうだ。といっても、本人がそう思っているということではなく、日本の憲法学者の大部分がそう思っているということに言及したうえで、もしそうなら自衛隊を憲法と適合させるために、憲法のほうを改めるべきだと言ったということである。

民主党の野田前首相がTBSのテレビ討論番組に出席して、自民党の安倍政権が進めようとしている軽減税率を"厳しく"批判した。その理由は、私は軽減税率に反対だ、というから、要するに結果を以て前提にとりかえることをしているわけだ。野田前首相が何故軽減税率に反対かと言うと、それを埋める財源がないからだという。"財源なくして政策なし"と言う鉄則に照らして、安倍政権のやろうとしていることは無責任だと言いたいらしい。

日韓間で政治問題化していた従軍慰安婦問題について、日韓両政府が合意した。合意内容の柱は、
・慰安婦問題は旧日本軍の関与の下、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題。日本政府は責任を痛感
・安倍晋三首相はすべての元慰安婦の女性に心からおわびと反省を表明
・日本は韓国が元慰安婦の支援を目的に設立する財団に10億円を拠出し、協力して事業を行う(以上「朝日」による解説から)
などというものだ。

夫婦同姓と女性の再婚禁止期間について定めた民法の規定について、その合憲性をめぐる最高裁の判決があった。夫婦同姓については、民法の規定は合憲だとする一方、女性の再婚禁止期間については100日を超える部分については違憲だとの内容だ。

沖縄振興を担当する某女性大臣が、沖縄の振興予算を削るかの発言をしたそうだ。安倍政権の辺野古基地強行建設に反対している翁長知事への牽制だろうとする見方がなされている。不可解なのは、どのメディアもこの発言をそのまま垂れ流すだけで、それを批判する論調が見当たらぬことだ。あたかも、この大臣の言っていることは安倍政権の本音なのであり、今更この大臣の言葉をあげつらっても始まらない、と考えているかのような雰囲気が伝わって来る。

朝日新聞が、自民党の党員・党友を対象に意識調査を実施した。その結果が昨日(11月30日)の紙面で紹介されていたが、なかなか面白い内容だ。歴代総裁の中で最も評価する者として安倍晋三(19%)の名が上った。二位は小泉純一郎(17%)、四位は中曽根康弘(5%)で、いわゆるタカ派の政治家が上位を占める。彼らは同時に新自由主義者でもある。一方、ハト派で財政出動推進者だった田中角栄(16%)は三位につけている。

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