世界情勢を読む

カシミール地方における中印国境紛争は長い歴史があるが、なかなか解決の目途はたたない。そんななかで、これまでインド側が実効支配していた地域に中国軍が入り込み、軍事拠点さえ築こうとしているとして、インド側が反発。互いに軍が睨みあう状態が2週間以上続いているという。いまのところ軍事衝突に発展する可能性は弱いというが、それはインド側が自制しているためだと見られている。
中国が軍事力で日米をしのぐ、そんな日が遠からずやって来る。米国の外交・安保専門家グループが、中国がいまの勢いで軍事力を増強し続けたら、2030年の時点で日米の軍事力をしのぐだろうと予想しているそうだ。(5月3日朝日新聞朝刊の記事)

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昨年12月に起きた女子学生への集団レイプ事件以来、インドではレイプの犯罪者と彼らに鷹揚な当局に対する怒りが爆発し、首都ニューデリーでは、毎週のようにデモが起きた。最近は、そのデモが少しずつ下火になってきたようだったが、ここへきてまた爆発的な盛り上がりを見せているようだ。きっかけは、先日起きた、5歳の幼女に対するレイプ事件だ。

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プーチン批判で知られるブロガー、アレクセイ・ナヴァーリヌイ氏の裁判が開始されたが、開廷の直後閉廷が宣言されたという。4月下旬に再開されるのだそうだが、なぜこんな訳のわからぬことをするのか、疑問なところだ。しかし、この裁判が一種のショーだと割り切れば、そんなに訳がわからぬでもない。

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オバマが議会に提出した来年度予算案について、ポール・クルーグマンが例によってかみついている。この予算案と言うのは、富裕層への増税による財源で財政赤字の縮小を図る一方、社会保障や医療関連予算をカットしていることに特徴がある。事情通たちはそこを捉えて、これは、オバマからGOP(共和党)へ差し伸べられた妥協のシグナルと言っているが、とんでもない。そんな妥協はとても期待できない。というのも、オバマは、こちらから妥協を持ちかければ、GOPの方でも大人の対応をするだろうと考えているようだが、今のGOPには大人の対応は期待できない。彼らは皆が皆そろって餓鬼の集まりだからだ、というのである。

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フランスのオランド大統領への国民の支持が急速に下がっているという。閣僚のスキャンダルなどが影響しているといわれるが、基本的な原因は、彼が選挙公約に掲げた緊縮財政の見直しと雇用拡大が思うような効果をあげていないことだ。事態は財政状況が一層悪化する中で、失業率が増大するなど、逆の方向に動いている。なにしろ財政赤字はユーロの共通基準である対GDP比3パーセントを上回り、失業率は11パーセントと言った具合だ。

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マーガレット・サッチャーほど評価の別れる政治家はいないだろう。イギリスにおいてさえ、彼女への評価は一筋縄ではいかない。保守的なサークルでは、イギリスを「老人病」から救い出し、若々しく再生させたとする評価がある一方、階層間の対立を一層深刻化させ、イギリスを不寛容な社会にしたという批判もある。しかしどちらの方も、彼女がイギリスに限らず世界の政治史上に巨大な存在感を主張していることは認めている。その所以は、彼女が保守主義を再生させということにある。実際、彼女が活躍した1980年代と言うのは、アメリカではレーガン、日本では中曽根の時代であり、それらの国で一斉に沸き起こった保守主義の旋風は、サッチャリズムと言われる独特の哲学と同じ地盤に立っていたものである。

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習近平夫人彭麗媛(Peng Liyuan)女史の存在感が増している。先日は、夫の初めての外遊に付き添って、行く先々で、中国のファースト・レディとしての存在感を示し、また国内でも、愛国的でかつ聡明な女性であるとの評判をものにしているようだ。

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北朝鮮の挑発がエスカレートしている。3月30日には、「北南関係は戦時状態に入り、すべての問題は戦時に準じて処理される」と発表し、「朝鮮の尊厳と主権を侵害するいかなる挑発行為に対しても、予告なしに物理的行動を取る」と宣言した。この「行動」には、ハワイやグアムなどの米軍基地や韓国大統領府への核攻撃も含まれている。つまり北朝鮮は、いつでも米韓を相手に戦争するつもりだと言っているわけである。

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写真(ロイターから)は、先日ロンドンの国会議事堂前広場で行われたデモの様子。参加者たちは皆一様に、大蔵大臣ジョージ・オズボーン(George Osborne)の仮装をして整然と行進している。彼らのスローガンは「食の平等(Enough Food for Everyone IF)」だ。今年の6月にイギリスで開催されるG8で、このテーマが取り上げられるように訴えているのだという。

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ロシアでは、プーチンの敵は天寿を全うできないとささやかれているらしいが、そのプーチンの敵の中で生き残ってきた最後の大物、ボリス・ベレゾフスキー(Борис Вади́мович Березо́вский)が死んだ。それもロンドン近郊の自宅の風呂場で、不可解な死に方をしたという。早速イギリスの警察機関が操作に入ったというから、この変死の裏には、謀略の動きがあるのかもしれない。

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習近平が国家主席就任後に最初に選んだ外遊先はロシア。プーチン大統領との友好的な関係を内外にアピールしたが、それは日米を強く意識したものだとの見方が有力だ。アメリカに対してはミサイル防衛システムを強く牽制するとともに、日本に対しては尖閣諸島が中国にとっての核心的な利益だと匂わせるような発言を行った。

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地中海の小島国キプロスを舞台に起きた経済危機騒ぎが世界の耳目を集めた。金融危機に陥ったキプロスに対してEUが救済に乗り出したが、その条件としてキプロスの銀行預金について特別の課金をするように求めたところ、当然のことながらキプロス国民が大反対、与党がEUの意図を受けて提案した法案はあっさり否決された。そこで、キプロスの経済危機は解決の目途がたたなくなったばかりか、銀行預金は一部機能を除いて閉鎖されたままという異常な事態に陥っている。銀行機能を再開すれば、大量の預金引き出し騒ぎが起こるほか、外国からの資本の流出に拍車をかけるという理由からだ。

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中国の国会と言われる全人代(全国人民代表大会)が、約2週間の日程を終えて、習近平以下のあらたな指導部が登場した。この指導部は今後10年間にわたって中国をリードしていくと考えられるので、日本としても長い付き合いになることを覚悟して、今後の対応に努めていかねばなるまい。

 

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写真(Newsweek から)は、1月14日から3月10日までの55日間、ガンジス川のほとりなるアラハバードで行われているヒンドゥー教の祭典「クンブ・メーラ(Kumbh Mela)」の様子。夥しい数の人々が、バラモンの聖職者に先導されてガンジス川に飛び込んでいく様子である。殆どの人が一糸まとわぬ姿で聖なる川の水を浴びている。

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中国の国会に当たる全人代が開催中だが、こうした大規模イベントが開かれると、中国全土から請願者たちが集まってくる。彼らは、地方政府による不当な行為を直接中央の実力者に訴えようとして集まってくるのだ。しかし彼らには多くの場合、過酷な運命が待っている。その始まりが、拘留所への収容だ。

本書は、現代中国の政治を「開発独裁」と位置付け、政治体制の構造的特徴や政治変動のダイナミズムをとらえるものだと、著者自身「はじめに」の中で述べているように、中国がソ連型の社会主義でもなく、また欧米型の近代化路線とも異なった第三の道を歩んできたことの意義について考察している。しかして、それが急速な近代化に成功する一方、社会の民主化と言う面では様々な課題を抱えているということを抉り出している。現代中国論として、非常に参考になる本だ。

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イタリアの総選挙で、ベルルスコーニの中道保守が大健闘し、新興政党「五つ星」が躍進した。どちらもモンティが主導してきた緊縮路線を批判し、ベルルスコーニに至っては、減税と財政出動の組み合わせを約束している。これを前にして欧米の批評家たちには、無責任な政治家がイタリアを牛耳れば、一人イタリアの破滅のみならず、ユーロの破滅につながると心配する者が多い。「エコノミスト」誌などは、ユーロが日本の二の舞を舞って、第二の日本になるだろうと警告している。

国際舞台におけるドイツ連邦軍(Bundeswehr)の存在感が増しているようだ。ドイツ軍はアフガニスタンに4000人以上派遣されているのを始め、コソヴォ、レバノン、スーダン、ウガンダ、コンゴといった国々に、国連の平和維持活動の一環として派遣されており、海外派遣の総数は6000人に達する。これに加え、マリにおけるフランス軍の活動を支援することを目的に、新たに80人を派遣する計画がある。

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テキサス州選出の共和党上院議員テッド・クルーズ(Ted Cruz)の極右的なパフォーマンスが話題になっているが、先日は同じ共和党員でありながら、オバマ政権の国防長官に指名されたチャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)に対して、公聴会の席上、彼の思想信条を巡って露骨な非難を繰り広げた。それがあまりにも異常だったので、共和党の同僚でさえ「はめを外している(out of bounds)」と批判したそうだが、雑誌ニューヨーカーの人気記者ジェーン・メアー(Jane Mayer)は、クルーズをかつての反共チャンピオン、ジョゼフ・マッカーシーに譬え、その姿勢に警鐘をならす一文をニューヨーカー誌上に投稿した。

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