イスラエルのネタニヤフ政権が、ヨルダン川西岸へのユダヤ人入植地拡大方針を打ち出した。国連がパレスティナをオブザーバー国家として認定したことに対する報復措置だというのがもっぱらの見方だ。イスラエルは1975年にも、国連がシオニズムを強く批判したことへの報復として入植政策を拡大したことがあったが、今回はその時の状況とよく似ている、と専門家は見ている。
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写真は、道路のど真ん中に立っている家。普通の感覚では理解しがたい光景だが、道路建設の現場ではよく見られるものだ。道路整備当局による立ち退き要求に不満をもった住民が、最後まで抵抗した挙句に残る光景だ。かつての日本各地の道路建設現場でもよく見られたものだが、それらはやがて可及的速やかに撤去されたものだった。というのも、住民の抵抗には自ずから限界がある。そこへもって来て、道路当局は一部の住民の不合理な反対行動によって、公共の利益が損なわれると、声高に主張することができる。そこまでいけば、住民のささやかな抵抗など、屁の重みさえもたない。
ガザを舞台にして戦闘を続けていたイスラエルとハマスとが、停戦で合意した。一時はイスラエルによる大規模な地上戦まで予想され、1400人の死者を出した2008年の武力衝突以来の惨劇が憂慮されたが、とりあえず最悪の事態は避けられることになったわけだ。しかし、油断はできない。イスラエルとハマスとの対立構造は、基本的に解消されたわけではないし、また、今回の停戦にむけた合意のプロセスにも、不安定さを感じさせる要因があるからだ。
イスラエルによるガザへの攻撃が激しいものになっている。攻撃の対象は軍事施設からハマスの関連施設へ、そして武器の貯蔵施設へと拡大している。そうした攻撃によってガザ地区の一般市民も巻き添えを食い、これまで(11月18日)に50人ほどのパレスチナ人が死亡した。
中国共産党の大会が閉幕し、次の10年の国家運営を担う新しいメンバーが確定した。この10年ぶりの権力移行は、いまや世界第二の経済大国になった中国の今後の動向を占うものとして、当然ながら、世界中の注目を集めた。筆者も注目していた一人だが、この超大国の権力移行が、相変わらず闇の中で行われた、その奇怪さに改めて感じ入ったところだ。
オバマが有権者の支持においてはきわどいリードしか得られぬまま勝利できたことについて、さまざまな分析がなされている。そんな分析の中で目を引くのは、オバマの勝利は有権者の積極的な支持に支えられたものではなく、ロムニー側、つまり共和党による失策に利されたのだとする「敵失論」である。
長距離レースを思わせるような長い選挙運動が終わり、米大統領にオバマが再選された。大統領を直接選ぶ選挙人の数では大きな差がついたが、有権者の投票はオバマの50パーセントに対してロムニーの48パーセントと、きわどい差であった。このことは、オバマが厳しい状況に見舞われていたことを物語っている。その厳しさを乗り越えて薄氷の勝利をつかんだわけだ。
中国は死刑大国として知られる。最近のワシントンポストの記事によれば、2011年の死刑執行件数は4000件、二位のイランが360件、5位のアメリカが43件だったから、ダントツの数字だ。それでも、2007年の執行件数8000件に比べれば、ここ数年の間に半減させてきた傾向が読み取れる。
もうすぐ選出される中国の新しい指導者たちにとって、当面の課題の中でもっとも大きなものは、腐敗の根絶だろう。なにしろ、役人による賄賂や職権乱用などの腐敗は、今や一般国民にとっても指弾の的になりつつあり、これを解決できないでは、新指導部の権威が保てないのは明らかだと思われる。
ロシアには改革への必要性は乏しい。政治的にも社会的にも経済的にも、ロシアは安定と秩序を保っている。これ以上何を改革するというのか。
チベット人の焼身自殺が増加し始めたのは2011年の3月以降のことだが、それ以来これまでに60人以上が焼身自殺をしたという。先週(10月20日から25日まで)には、甘粛省の甘南県にあるチベットの聖地などで、一週間で7人もの人々が自分の体を火で包み、そのうち6人が死亡したということだ。
ロシアの反体制活動家レオニード・ラズヴォジャーエフ氏は、政府転覆罪の容疑で最近拘留されたところだが、実は、ロシアの秘密警察によって誘拐されたうえで、子供を殺すと脅迫され、政府の転覆を目的とした暴動を企んでいたとの供述書へのサインを、強制されたと主張しているそうだ。氏に接触した人権擁護活動家が、氏から聞いた話だとして、伝えている。
温家宝中国首相の家族が、莫大な金額にのぼる蓄財をしていたとする記事を、米紙ニューヨーク・タイムズが乗せたところ、中国側ではこれをアメリカの陰謀だとするコメントを出したうえで、当該の記事にアクセスできないようにしたというので、多少の関心を覚えた筆者は、早速ニューヨーク・タイムズのウェブサイトをひらき、当該の記事を読んだ次第だ。
最近イスラエル国内で行われた世論調査がショッキングな結果をもたらしたというので、ちょっとした話題になっているそうだ。仮にイスラエルがヨルダン川西岸を併合(領土化)した場合に、そこに住んでいるアラブ人には、公民権を与える必要が無いと考えているユダヤ人の割合が3分の2以上だったというのだ。ヨルダン川西岸の併合事態が非常に乱暴な設定であるうえに、現在そこに住んでいる人たちの権利を全く考慮していないというわけだから、ショッキングといってよい。
ウェブ版 English Pravda によれば、ロシアは2013-2015の三年度にわたり、核兵器開発予算として合計1000億ルーブル(約2600億円)を計上するということだ。ロシア議会(ドゥーマ)国防委員会のヴラヂーミル・コモイェードフ氏が発表したという。
夏は中国の初代王朝に擬せられているが、これまで考古学的な発掘によって裏付けされたことがなかったので、幻の王朝ともいわれてきた。しかし近年になって、河南省で発掘調査が進み、その中から現れた二里頭村の遺跡が夏ではないかという観測が強まった。もしそれが本当なら、中国史の解明は飛躍的に進むだろうと思われる。その二里村の遺跡について、NHKが取材のうえ報道を行った。(中国文明の謎 第一集 中華の源流 幻の王朝を追う)
今年(2012)のノーベル平和賞をEUが受賞したことについて、世界中で論評が行きかっている。中にはバローゾEU委員長と共に素直に喜ぶ者もいれば、お笑い草だと言ってけなす者もいる。けなす理由の中で最も強力なのは、タイミングが悪いというものだ。数年前までなら、まだ素直に受け取られたかもしれない。しかし今更なんだ、というわけである。
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