世界情勢を読む

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三年間にわたるシリアの内戦にともなって、これまでに死亡した人の数は146000人以上に上ると、イギリスにベースを置くシリア反政府組織シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が発表した。そのうち半分は一般市民であり、その中には約8000人の子供が含まれている。

ここ数日、友人たちと京都へ旅行してすっかり浮世を忘れている間に、世の中では大変な事態が持ち上がっていた。ウクライナ危機の深刻化である。ウクライナの騒乱については、このブログでも取り上げたところだが、騒乱の結果反ロシア色の強い政権が出来上がると、プーチンのロシアが早速反応し、ロシア人住民の安全を確保するという名目でクリミアへの軍事進攻を強行したのだ。これにたいして、欧米諸国が厳しく反応し、事態は大規模な衝突に向かって、一触即発の状態に陥っているというわけだ。

今回のウクライナの政変においては、様々な反政府勢力がゆるやかな連合を形成したと言われているが、その中のもっとも活発で攻撃的な勢力に「スヴァボーダ(自由)」という極右団体がある。世界ユダヤ人会議によって「ネオナチ」と認定されている団体だ。実際この団体は、「反ユダヤ、ファシズム」を標榜すると言われているが、日本は無論、国際的にもほとんど報道されてこなかった。

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写真はNASAが公開した映像。国際宇宙ステーションから見た朝鮮半島の夜景だ。中国や韓国が光に覆われているのに対して、北朝鮮は海岸線との境界も識別できないほど、暗く映っている。唯一明るいのは平壌だが、これも韓国の地方都市程度の明るさに過ぎない。

ウクライナのヤヌコーヴィチ政権が、おどろくほどあっけなく崩壊した。キエフなどでの反政府運動が激化し、百名近い死者を出すに至り、警察部隊が政権のいうことを聞かなくなり、それに伴って政権幹部が相次いで離反する事態が生まれ、ヤヌコーヴィチが孤立に追い込まれたことが原因らしい。ヤヌコーヴィチと少数の腹心は、飛行機で国内脱出を図って成功しなかったともいわれ、現在行方不明中だとされている。ともあれ、彼が大統領職に復帰することは、現実的ではなくなった。

ウクライナで二か月前に始まったデモ騒ぎがだんだんエスカレートして、ついには死者を出す騒ぎにまで発展している。このデモ騒ぎは、ヤヌコーヴィチ大統領がEUとの自由貿易交渉を取りやめて、ロシアとの関係強化に舵を切り替えたことに、西欧派の市民が反発して始まったわけだが、最近は、ヤヌコーヴィチ政権がデモを弾圧できる法律を制定したりして、露骨な強圧姿勢を見せてきたことで、一層反対派を煽り立てたということらしい。

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写真(Guardian から)は、ソチのオリンピック会場を視察中のプーチンと彼を囲む大会ボランティアの人々。ボランティアの女性たちが来ているユニフォームに注目してほしい。これはレインボーカラーといって、ゲイのシンボルカラーとなっているものだ。これをボランティアたちに着せることで、ソチ・オリンピックへの世界のゲイ社会の反発を和らげようというわけだろう。こんな派手なものを着せられたボランティアたちは、最初はとまどったが、その趣旨をプーチンから聞かされて納得したそうだ。

タイの情勢をみていると、エジプトとの類似に気づかされる。どちらも、選挙で民主的に選ばれた政府を転覆し、それ以前の体制へと逆戻りすることを意図している。エジプトの場合には軍による秩序の安定、タイの場合には選挙とは無縁の、支配者によって任命された人々が上院議員を選ぶというやり方への復帰だ。どちらの国でも、こうした反動的な政策を追求しているのは、上層階級や中層の比較的豊かな人々だ。彼らが民主主義よりも、自分たちの階級的な利害を優先するあまり、選挙で選ばれた政権を転覆しようとしている。どうもそのように見える。

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上の写真(新華社から)は、昨日(1月16日)の北京市内の様子を写したもの。濃いスモッグのために天安門が霞んで見える。普通ならくっきりと鮮やかに見えるシーンのはずだ。こうなったのは、大気中のPM2.5の濃度が1立方メートルあたり671マイクログラムと、基準値の26倍にも達したためだ。

政治家にとってセックス・スキャンダルは、だいたい命取りの結果に終わるものだが、フランスでは必ずしもそうではないらしい。というのも、先日オランド大統領の不倫疑惑が報道されたばかりだが、そのことを多くのフランス人は問題視していないばかりか、かえってオランドの支持率が上昇するという現象まで起きている。これは、どういうわけか。日本人の筆者にはなかなか理解できないことだ。

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映画関係者を中心に「ノリウッド(Nollywood)」という言葉が流行っているそうだ。ハリウッドに対抗する映画文化を作り上げたインド映画が「ボリウッド」と呼ばれたことに範をとって、いまや一大映画産業を作りつつあるナイジェリア映画を指してノリウッドというわけである。

タイで反政府勢力が大規模デモを重ね、ついには首都封鎖という過激な行動をとっているようだが、その背景にはいまひとつよくわからないところがある。今回のデモのそもそもの発端は、昨年11月に恩赦法が下院で強行採決され、タクシン元首相がその対象に含まれることに、反タクシン派が反発したことだ。その際には、反タクシン派の反発を考慮したインラック首相が上院での可決を(多数派を抑えているにかかわらず)あきらめて、法案を廃案にしたが、それに勢いづいた反タクシン派が、(タクシン派である)インラック政権の打倒を目指して引き続きデモを続けているということだ。

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ヨーロッパ諸国には合計1000-1200万人のロマ人(ひと)たちが存在している。彼らは一千年前からヨーロッパ諸国に住みつき、差別と虐待にさらされてきた。彼らが最も多く分布しているのはルーマニア、ブルガリア、ハンガリーといった東欧諸国だが、それらの国のロマ人たちがもっとも厳しい境遇にさらされている。そんな境遇からの脱出を図ろうとして、近年西欧の豊かな国に移動するロマ人たちが増えている。そのことで、西欧諸国でも新たなロマ問題が噴出するようになったようだ。

先日死刑判決を受けて即処刑された張成沢について、彼がどのような方法で絶命したかについて様々な憶測が流れていたが、香港の親共産党政権紙文匯報は、張成沢は犬に食われて死んだというショッキングなニュースを配信した。それによれば張成沢は、5人の腹心と共に、真裸にされた状態で檻の中に放り込まれたが、そこには120匹の飢えた犬どもが待ち構えていて、彼らに襲い掛かり、その肉を引き裂き、一時間ほどで食い尽くしてしまったということだ。この現場には金正恩も立ち会い、叔父の張成沢の断末魔を子細もらさず見ていたということだ。

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洞庭湖とともに中国江南地方の豊かな湖として知られた鄱陽湖の、その水がとうとう干上がってしまったそうだ。原因は、干拓の進行と長江上流に作られた三峡ダムの影響らしい。(江西省の分省地図で見ると、鄱陽湖は巨大な湖であるし、流れ込む川の数は数多くあるというのに、それが干上がってしまうというのは、なかなか信じがたいことだ。)

EU内では、人の移動の自由の原則に従い、貧しい国から豊かな国への人の移動が大規模に行われてきた。その大部分は出稼ぎ労働者だ。ドイツやイギリスなどには、主として東欧の貧しい国から出稼ぎ労働者が大量に流入し、地元の若者たちが嫌う重労働などに従事してきた。そのことで受け入れ側は安い労働力を使うことができ、送り出す方では雇用の確保を図ることが出来たわけだ。いってみればウィンウィンの関係であったわけだが、最近は必ずしもそう言ってばかりいられなくなってきたようだ。受け入れ側の国に、外国からの出稼ぎ労働を規制する動きが見られるというのだ。

新疆ウィグル地区におけるウィグル人のレジスタンスについて、モンゴル人研究者楊海英氏が雑誌「世界」にレポートを寄せている。中国国内におけるモンゴル人も少数民族と言う点ではウィグル人と共通した境遇にあるということで、ウィグル人の立場に立った書き方になっている。

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北朝鮮のナンバー2といわれ、金正恩の義理の叔父でもあった張成沢が、粛清されたうえに死刑に処せられたというので、世界中がびっくりしている。こうした粛清劇は北朝鮮にはつきものだったわけで、あらためて驚くほどのことでもないという見方もあるが、張成沢がこれまで果してきた役割や彼が金正恩の叔父であったことなど、そして過去の類似の例との比較などを考慮すると、やはり異常といえるほどのインパクトはある。

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中国で1970年代から続けられてきた「一人っ子政策」を、更に緩和することになった。その結果、これまで夫婦とも一人っ子の場合に認められていた二人目の出産を、夫婦のいずれかが一人っ子のケースにも拡大されることになる。

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先日、ギリシャで青い目をした白人の少女がロマ人夫妻のところで発見され、その後その夫婦が誘拐罪で逮捕された事件がきっかけになって、ヨーロッパでは新たなロマ迫害の動きが広がっているようだ。ロマ迫害はここ10年以上にわたってヨーロッパ各国で強まってきており、フランスなど従来ロマに比較的寛大だった国でも、違法居住を理由に国外追放するケースも目立ってきていたところ、この事件がそうした動きを煽るのではないかと、アムネスティなども懸念しているという。

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