鈴生とまた例の寿司屋で飲んだ。彼最近腰痛が悪化して居ても立ってもいられぬ日が続いたが、今日はなんとか歩くことが出来るようになったそうだ(痛め止めの効果もあるらしい)。そのついでにご母堂を近所の老人施設にショートステイさせたそうだ。なにしろ何ヶ月も風呂にも入らず寝たきりに近い状態なので、たまにはこういうところに入れて、オーバーホールをせねばならぬからね、ということだった。そのご母堂は今年九十九歳になり、痴呆の程度も大分進んできたが、あんたのことはまだ覚えているよ。今晩一緒に飲むと言ったらなつかしそうな顔をしていた。そう鈴生は言って、この調子だとまだ大分先まで生きそうだ、俺のほうが早く死にそうだし、またそう願いたいものだ、生きているのがもう面倒になった、と弱音を吐く。
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