日本の政治と社会

民進党の代表選で蓮舫氏が勝利し、民進党として初めて選ばれた女性党首となった。蓮舫氏といえば、民主党時代の事業仕訳で、スーパーコンピュータの国際開発競争をめぐり、何故一位ではなく二位ではだめなのか、二位でもよいではないか、と主張して大方の失笑を買ったことは多くの人の記憶に残っているだろう。事業仕訳の場以外でもこの主張をしているようだから、よほどナンバーツーが好きなのだろう。だが政党の党首ともなれば、ナンバーツーに甘んじてはいられないはずだ。かりにも政党として政権を目指すのなら、ナンバーワンにならねばならぬ道理だ。

ケニアのナイロビで開かれた「アフリカ会議(TICAD)」に、安部晋三総理大臣が赴いていって、アフリカにおける日本の存在感をアピールした。それを聞いて見ると、「中国と仲良くするより日本と仲良くしましょう」というかなり政治的なメッセージが伝わってくる。アフリカの指導者たちも、この露骨なメッセージに接して、多少面喰ったのではないか。どうも日本の指導者は、我々を前にことさら日中対立に言及し、我々を日本の味方に引き入れようとしている、それがいいことなのかどうか、ここはちょっと慎重にならねばなるまい、そんなふうに受け取られたのではないか。

これを謀反というべきか、反乱というべきか、迷うところだが、やはり反乱というべきだろう。謀反では、明智光秀が思い浮かんでくるように、無謀な反逆というイメージが強いのに対して、反乱には正義の戦いというイメージがある。これはやはり、正義の匂いがするので、反乱という言葉がふさわしい。筆者が何を言っているかというと、それは川内原発の停止を正式に求めた鹿児島県の三反園知事の行為のことだ。

福島の汚染水対策として今年の春から実施されている凍土壁が、所期の目的を達成できていないことが、原子力規制委員会の発表から明らかになった。この計画は、原発の上流側に820メートルにわたる凍土壁を作ることで、原発地下への地下水の流入を阻止し、汚染水が海に垂れ流しにならないようにとの目的で作られたものだが、いまのところ、機能している凍土壁は99パーセントで、残りの部分は凍っておらず、原発地下への地下水の流入が続いているという。恐ろしいのは、この流入量が、凍土壁設置以前とほとんど変わっていないということだ。つまり、99パーセントは所期の思惑通り凍ったものの、全体としては、地下水の流入はほとんど阻止できていないということだ。

四国の伊方原発が再稼動した。九州の川内原発の二基に続いて、実質的には三基目の再稼動になる。先日鹿児島県知事になった人が川内原発停止の意向を強く示しているなかでもあり、また、伊方原発自体にも様々な問題が指摘されている中での再稼動とあって、どうみても無謀な見切り発車といわざるを得ない。

日本に残された最後の成長産業、それは葬祭業だ、というような記事を英誌エコノミストで読んで、思わず苦笑した(Peak death)。普段はあまり気にしていないが、改めて言われればそのような気がする。筆者を含めた団塊の世代が、すこしづつあの世へ旅立つようになり、あと十数年もすれば同時に大量にあの世へ行く事態がやってくる。それを踏まえて、これからの日本の死亡者数は、当分右肩上がりで増えつづけるだろう。葬祭業が多忙になるのは、自然の勢いだ。

平成の明智光秀の愛称で親しまれている某代議士は、都連の会長として今回の都知事選の陣頭指揮にあたったが、武運拙く惨敗するや、その責任を問われて曰く、この選挙は本部マターだから、責任は自民党幹事長の某氏にある、と。彼が言及した某氏は、得意の自転車から転落して大怪我を負い、都知事選挙の采配どころでなかったことは誰しも知っているところだ。その人に責任をなすりつけるのは、あまりにも見苦しいと、政局通の間では無論、自民党内でも不評だそうだ。

SNSの普及にともない目立ってきた現象として、いわゆるバッシングの蔓延がある。バッシンは様々な対象に向けられ、それらはだいたい異様な感じを与えるのが多いが、なかでも異様なのは、ボランティア活動に向けられたものだ。特に芸能人などが、大震災の犠牲者となった人々にボランティアの手を差し伸べると、それを売名行為だなどと貶めてバッシングするケースが目立つが、これなどは、異様さを通り越して背筋の寒くなるような不気味さを感じさせる。

相模原市の障害者施設で起きた重度心身障害者の大量殺害が社会に衝撃をもたらしている。事件を起こした犯人がこの施設に勤めていた福祉関係の職員であったこと、殺された障害者が十九人にものぼり、その他に二十数名の障害者が重軽傷を負わされたこと、それらの障害者の殆どが深夜寝ている間に、全く抵抗もできない状態で次々と首をナイフで掻き切られて殺されたり重傷を負わされたこと、凶行の間施設の職員が捕縛されて身動きできない状態に置かれていたこと、どれをとっても陰惨極まりない犯罪だ。日本の犯罪史上過去に例のないものであり、日本もついにここまで来たかと国民誰をも慄然とさせるものだ。

無覚先生:今回の参院選も、前回の2013年に引き続き与党が勝ちました。自公あわせると70議席で、改選議席総数121議席の過半数を上回った。非改選議席とあわせると146議席となり、トータルでも大きく過半数を上回ることになる。これに大阪維新の会などをあわせれば、参議院での改憲勢力が三分の二を上まわることとなり、衆議院とあわせて戦後始めて改憲勢力が国会での改憲発議権を持つ状況が生まれました。改憲を悲願としてきた安部晋三総理にとっては、千載一遇のチャンスが生まれたといってよい。そんなことから大方のメディアは、今回の参院選を改憲への大きな一里塚と位置づけているようです。今回の選挙では、一人区での野党統一候補だとか、いままでにない戦術があったりしてそれなりに動きを感じさせましたが、結果的には与党の圧勝になった。その要因をどう考えるか、その辺のところから入っていきましょう。俄然坊さんからどうぞ。

安倍政権の副総理大臣の椅子に座っている麻生太郎氏が、先日(6月17日)に行われた講演会で、90歳の老人を話題に挙げて、「いつまで生きているつもりだ」と発言した。彼の失言癖は珍しくもなく、これもその一つとして受け流す向きが多かったが、なかには厳しく批判するものもいた。そうした批判に対して彼も反論した、自分には侮辱するつもりなどなかったと。ではどういうつもりでこんなことを言ったのか、わかりやすい説明はなかった。あたかもこれは自分の本音を言ったまでで、侮辱などというものではない、と言いたいかのようだ。

オバマが現職の米大統領として始めて広島を訪れた。歴史的な出来事には違いない。日本では、あわせて行われた伊勢・志麻サミットの話題が吹き飛ぶほどのインパクトを以て迎えられたし、世界中のメディアも注目した。日本のメディアにはこれを手放しに近い歓迎振りで好意的に論評するものが多い一方、アメリカのメディアはおおむね冷静に受け止めている。アメリカ国内で根強い原爆投下必要論を配慮してこの訪問を批判する論調はあまり見られないようだ。

来る伊勢志摩サミットで見逃せない意味を持つのは、G7首脳が揃って伊勢神宮を訪問することだ。このことについてはなぜか、日本の大手メディアは論評を控えており、海外のメディアも大きくはとりあげていない。おそらく伊勢神宮についての認識が、靖国神社ほどには広まっていなからだろう。そんななかで英誌エコノミストが興味ある論評をしている。後日の参考のために引用しておきたい。

安部晋三政権が登場して以来、日本の報道の自由度が悪化し、いまや韓国以下の酷い状況だと国際NGOに評価されたことを、先日このブログでもとりあげた。それと同じようなことを、昨日(5月4日)の朝日の天声人語が話題にしていた。それによれば、かつては「報道の自由」の旗を高く掲げ、中国共産党や財界の不正に果敢に取り組んでいた香港の新聞や雑誌が、いまでは権力に抑圧されてすっかりおとなしくなってしまった。そんな香港に比べても、日本の報道の自由度は低く評価されていると言って、天声人語子はため息をついてみせたのである。

安倍政権が登場して以来、日本の報道の自由度が次第に弱まり、いまや先進国中最低になったばかりか、お隣の韓国以下になった、と国際NGOからお墨付きまでもらったことは、記憶に新しい。その理由は無論権力側からの抑圧にもあるが、それ以上にメディア側に問題があるというふうに見られている。日本の国内にいる我々日本人の目にはなかなか見えにくいが、外国のジャーナリストの目には、日本のメディアの姿勢は権力に跪拝しているように見えるらしい。ジャパン・タイムズに寄せられたコラムを読むと、そのへんが多少見えてくる。そこで後日の参考のために引用しておきたい。


某女性タレントが、安倍政権肝いりの「一億総活躍国民会議」に呼ばれ、その席上PTAに触れて、本来任意加入のはずなのに実際には強制的に加入させられている実態があるが、それはおかしいという旨の発言をしたというので、話題になっている。この女性タレントは母親としての立場から意見を述べたのだが、日頃同じような疑問を感じていたという母親たちから、多くの共感の声が寄せられているという。

朝日新聞が、今日(4月13日)付の社説で、右翼による言論封殺を批判していた。「放送法遵守を求める視聴者の会」を名乗る右翼団体が、TBSの報道姿勢を監視する動きを強める一方で、TBSへの広告の出稿を計画する企業に、自粛を求めて圧力をかけているのは、自由な言論活動を封殺しようとするもので、見過ごせないという趣旨の批判だ。

安倍晋三総理大臣が、防衛大学校の卒業式に臨み、自衛隊の幹部候補生たちを前に訓辞を垂れた。曰く、「新しい任務でも、現場の隊員たちが安全を確保しながら適切に実施できるよう、あらゆる場面を想定し、周到に準備しなければならない」。ここで安倍総理が言っている「新しい任務」とか、「周到な準備」とかが何を具体的に意味しているのか気になるところだ。

選挙権年齢の18歳への引き下げに伴い、高校生の政治活動を監視しようとする動きが出てきている。たとえば愛媛県では、県立高校の生徒に対して、校外の政治活動に参加する場合には学校に事前に届けることを義務づけるような動きが出ている。今のところは校則を変更する場合の参考という位置づけにして、必ずしもすべての学校にそうしろと強制するつもりはないと教育委員会は言っているらしいが、これが学校に対するプレッシャーになるだろうことは、多くの識者が指摘するとおりだ。

新国立競技場の設計過程で、聖火台の設置が想定されていなかった問題で、批判の矛先になっている大会組織委員会の森某会長が、身内とも言うべきラグビー関係者の会合の席で、大いに反論したそうだ。森会長によれば、今回の問題の責任は組織委員会ではなく、建設の事業主である日本スポーツ振興センター(JSC)と馳浩文部科学相にある。とくにJSCの責任は大きい。こういう「少し頭のおかしな連中が、聖火台を忘れた設計図を作った」と言って、自分たち組織委員会は被害者だと言わんばかりだ。

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